鈍的外力による外傷性気管完全断裂の1救命例

症例42歳男性.屋外作業中に背後から後頚部に巨大な丸太が落下し受傷,当院へ救急搬送された.来院時呼吸困難,喘鳴があり前頚部から胸部に著明な皮下気腫と呼吸性に前頚部皮膚の膨隆と陥凹を認めた.CTで気管は頚部で完全に断裂していたが頚髄損傷は認めなかった.軟性気管支鏡で気管断端末梢側を確認できたため気管支鏡ガイド下に気管挿管でき,気管再建術を施行した.気管は胸骨柄の高さで完全断裂していたが挫滅の程度は比較的軽度でありトリミングを要せず端々吻合した.両側反回神経麻痺のため術後8日目に気管切開を要したが,リハビリを進め32日目に気管カニューレを抜去,術後37日目に自宅退院となった.受傷機転,治療法につい...

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Published in日本呼吸器外科学会雑誌 Vol. 33; no. 4; pp. 448 - 452
Main Authors 山本, 耕三, 緑川, 健介, 今給黎, 尚幸, 平塚, 昌文, 米田, 敏, 岩﨑, 昭憲
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会 15.05.2019
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Summary:症例42歳男性.屋外作業中に背後から後頚部に巨大な丸太が落下し受傷,当院へ救急搬送された.来院時呼吸困難,喘鳴があり前頚部から胸部に著明な皮下気腫と呼吸性に前頚部皮膚の膨隆と陥凹を認めた.CTで気管は頚部で完全に断裂していたが頚髄損傷は認めなかった.軟性気管支鏡で気管断端末梢側を確認できたため気管支鏡ガイド下に気管挿管でき,気管再建術を施行した.気管は胸骨柄の高さで完全断裂していたが挫滅の程度は比較的軽度でありトリミングを要せず端々吻合した.両側反回神経麻痺のため術後8日目に気管切開を要したが,リハビリを進め32日目に気管カニューレを抜去,術後37日目に自宅退院となった.受傷機転,治療法について文献的検討を加え報告する.
ISSN:0919-0945
1881-4158
DOI:10.2995/jacsurg.33.448