腹腔鏡下子宮筋腫術後に発症したBenign Metastasizing Leiomyomaの1例

Benign Metastasizing Leiomyoma: BMLは組織学的には良性である子宮筋腫組織が主に肺に転移する稀な疾患で本邦ではこれまでに64例の報告例がある.症例は51歳女性で8年前に子宮筋腫に対し腹腔鏡下子宮全摘術を受けた.今回,腹部膨満感を主訴に当院を受診し,その際撮影された胸部X線で多発する肺小結節影を指摘され精査後に胸腔鏡下肺生検を行った.手術は完全鏡視下で行い,右S3bとS7の臓側胸膜に隆起する2小結節病変を切除し,病理組織学的には均一な紡錘形腫瘍細胞の錯綜配列を認め子宮筋腫の肺転移と診断した.多発症例であり生検にとどめ,閉経後であることから無治療で経過観察を行ってい...

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Published in日本呼吸器外科学会雑誌 Vol. 26; no. 4; pp. 401 - 404
Main Authors 島田, 順一, 常塚, 啓彰, 寺内, 邦彦, 加藤, 大志朗
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会 2012
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ISSN0919-0945
1881-4158
DOI10.2995/jacsurg.26.401

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Summary:Benign Metastasizing Leiomyoma: BMLは組織学的には良性である子宮筋腫組織が主に肺に転移する稀な疾患で本邦ではこれまでに64例の報告例がある.症例は51歳女性で8年前に子宮筋腫に対し腹腔鏡下子宮全摘術を受けた.今回,腹部膨満感を主訴に当院を受診し,その際撮影された胸部X線で多発する肺小結節影を指摘され精査後に胸腔鏡下肺生検を行った.手術は完全鏡視下で行い,右S3bとS7の臓側胸膜に隆起する2小結節病変を切除し,病理組織学的には均一な紡錘形腫瘍細胞の錯綜配列を認め子宮筋腫の肺転移と診断した.多発症例であり生検にとどめ,閉経後であることから無治療で経過観察を行っている.子宮筋腫の既往のある女性で多発肺病変を認めた際にはBMLを鑑別に置き診療に当たる必要がある.
ISSN:0919-0945
1881-4158
DOI:10.2995/jacsurg.26.401