術前に診断し腹腔鏡下切除術を施行した虫垂粘液嚢胞腺腫の1例

虫垂粘液嚢胞腺腫の術前診断は,画像診断の進歩により可能となる症例も増えている.しかしながら確定診断に至らない症例も多く見られる.そのため術式,切除範囲に関しては議論の分かれるところである.今回,術前虫垂粘液嚢胞腺腫を疑い,腹腔鏡下盲腸部分切除術を施行した症例を経験したため報告する.症例は76歳,女性.右下腹部の違和感にて近医を受診.下部消化管内視鏡検査にて虫垂入口部に粘膜下腫瘍様の所見を認め,当院紹介となった.来院時現症にて右下腹部の違和感と軽度の圧痛があるも,血液生化学検査に異常は認めなかった.腹部CTでは虫垂の嚢胞状腫大のみであり,悪性所見は認めなった.術前,虫垂粘液嚢胞腺腫を疑い,腹腔鏡...

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 72; no. 5; pp. 1162 - 1165
Main Authors 平城, 守, 平川, 雄介, 渡辺, 次郎, 森, 直樹, 小野, 博典, 尾崎, 邦博, 白水, 和雄
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 2011
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.72.1162

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Summary:虫垂粘液嚢胞腺腫の術前診断は,画像診断の進歩により可能となる症例も増えている.しかしながら確定診断に至らない症例も多く見られる.そのため術式,切除範囲に関しては議論の分かれるところである.今回,術前虫垂粘液嚢胞腺腫を疑い,腹腔鏡下盲腸部分切除術を施行した症例を経験したため報告する.症例は76歳,女性.右下腹部の違和感にて近医を受診.下部消化管内視鏡検査にて虫垂入口部に粘膜下腫瘍様の所見を認め,当院紹介となった.来院時現症にて右下腹部の違和感と軽度の圧痛があるも,血液生化学検査に異常は認めなかった.腹部CTでは虫垂の嚢胞状腫大のみであり,悪性所見は認めなった.術前,虫垂粘液嚢胞腺腫を疑い,腹腔鏡下盲腸部分切除術を施行した.術中迅速病理では虫垂粘液嚢胞腺腫の診断であり,術後経過は良好であった.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.72.1162