マイカスラリーによるシリコンウェハのポリシング特性

先端技術分野に活用される機能性材料は多品種にわたるが, オプトメカトロニクスを構成する部品の材料には, セラミックス, ガラスなどがあり, これらの機能材料に適応する新しい砥粒およびポリシング法の開発が強く要望される. そこで, 本研究では, 新しい砥粒であるフッ素四珪素雲母 (マイカ) PDM-Kを用いたマイカスラリーによるシリコンウェハのポリシング法の実用化を検討してきた. その結果, 平均粒径 10μmのマイカスラリーによって4inのシリコンウェハを優れたスラリーと定評のある市販品と比較して, 同等以上の表面粗さ2nmRa以下を達成した. 一般的に, ポリシング砥粒として広く用いられる粒...

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Published in砥粒加工学会誌 Vol. 49; no. 9; pp. 511 - 515
Main Authors 中村, 等, 岡田, 昭次郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 社団法人 砥粒加工学会 2005
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Summary:先端技術分野に活用される機能性材料は多品種にわたるが, オプトメカトロニクスを構成する部品の材料には, セラミックス, ガラスなどがあり, これらの機能材料に適応する新しい砥粒およびポリシング法の開発が強く要望される. そこで, 本研究では, 新しい砥粒であるフッ素四珪素雲母 (マイカ) PDM-Kを用いたマイカスラリーによるシリコンウェハのポリシング法の実用化を検討してきた. その結果, 平均粒径 10μmのマイカスラリーによって4inのシリコンウェハを優れたスラリーと定評のある市販品と比較して, 同等以上の表面粗さ2nmRa以下を達成した. 一般的に, ポリシング砥粒として広く用いられる粒径は数μm以下あるいはナノメータオーダである. これに対してマイカの粒径は10~100倍であっても, 微細砥粒と同等以上の表面粗さを達成できる大きな特長を有する. すでに, 筆者らはこの特長を活用した固定砥粒法による粒状化ポリシングディスクの開発に成功しているが, 遊離砥粒法においても優れたポリシング特性が実証された.
ISSN:0914-2703
1880-7534
DOI:10.11420/jsat.49.511