PEG-IFN α-2b/Ribavirin併用療法で肝サルコイドーシスが悪化したC型慢性肝炎の1例
症例は51歳,女性.既往歴に眼サルコイドーシス.C型慢性肝炎に対してPEG-IFNα-2b/Ribavirin(PEG-Interferon α2b/Ribavirin,PEG/RBV)の併用療法開始後,造影CTで明瞭に描出される多発肝腫瘍を認めたため治療中止した.超音波検査では腫瘍の境界が不明瞭で,生検の結果,肝サルコイドーシスが疑われたが,確定診断には至らなかった.しばらく経過観察したが変化ないためPEG/RBV併用療法再開し24週間投与を行った.投与終了後5カ月目で多発肝腫瘍は徐々に増大傾向にあり,CT及び造影超音波で明瞭に描出されたので,造影超音波下肝腫瘍生検施行し,肝サルコイドーシス...
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Published in | 肝臓 Vol. 50; no. 6; pp. 280 - 288 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本肝臓学会
2009
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Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0451-4203 1881-3593 |
DOI | 10.2957/kanzo.50.280 |
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Summary: | 症例は51歳,女性.既往歴に眼サルコイドーシス.C型慢性肝炎に対してPEG-IFNα-2b/Ribavirin(PEG-Interferon α2b/Ribavirin,PEG/RBV)の併用療法開始後,造影CTで明瞭に描出される多発肝腫瘍を認めたため治療中止した.超音波検査では腫瘍の境界が不明瞭で,生検の結果,肝サルコイドーシスが疑われたが,確定診断には至らなかった.しばらく経過観察したが変化ないためPEG/RBV併用療法再開し24週間投与を行った.投与終了後5カ月目で多発肝腫瘍は徐々に増大傾向にあり,CT及び造影超音波で明瞭に描出されたので,造影超音波下肝腫瘍生検施行し,肝サルコイドーシスと確定診断した.その後は経過観察のみで肝腫瘍は徐々に縮小し,PEG/RBV終了後12カ月目にほぼ消失した.C型慢性肝炎はSVR(Sustained Virological Response)を維持している.IFN(Interferon)およびRBVの治療においてサルコイドーシスの誘発,増悪についても注意すべきであると考えられた. |
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ISSN: | 0451-4203 1881-3593 |
DOI: | 10.2957/kanzo.50.280 |