維持期片麻痺者の血管機能と活動・休養・睡眠状況

目的 維持期における脳血管障害後遺症による片麻痺者の活動・休養・睡眠と血管機能の位相空間関係を新しい情報機器の活用と解析技術によって明らかにすることであった。対象 発症から2年以上経過した福祉施設を利用する脳血管障害後遺症による片麻痺者44名。方法 1日の血管機能のピーク値を決定するため、6時間ごとの左右上下肢の脈波伝搬速度および下肢静脈還流機能、腕時計型血圧計を用いた24時間にわたる15分ごとの血圧(ABPM)、1分ごとの身体動作に伴う加速度を測定した。同時に1週間の活動・休養・睡眠を測定した。統計解析は、この期間のデータから記述統計および、ABPM、加速度のピーク値を示した時間帯とbaPW...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本公衆衛生理学療法雑誌 Vol. 2; no. 1; pp. 1 - 5
Main Author 木村, 朗
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本公衆衛生理学療法研究会 2014
Japanese Society of Public Health Physical Therapy
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN2189-5899
DOI10.24642/jjphpt.2.1_1

Cover

More Information
Summary:目的 維持期における脳血管障害後遺症による片麻痺者の活動・休養・睡眠と血管機能の位相空間関係を新しい情報機器の活用と解析技術によって明らかにすることであった。対象 発症から2年以上経過した福祉施設を利用する脳血管障害後遺症による片麻痺者44名。方法 1日の血管機能のピーク値を決定するため、6時間ごとの左右上下肢の脈波伝搬速度および下肢静脈還流機能、腕時計型血圧計を用いた24時間にわたる15分ごとの血圧(ABPM)、1分ごとの身体動作に伴う加速度を測定した。同時に1週間の活動・休養・睡眠を測定した。統計解析は、この期間のデータから記述統計および、ABPM、加速度のピーク値を示した時間帯とbaPWVのピーク値が存在する時間帯の一致度を求め、適合度検定によって検証した(IBM-SPSS。v20使用)。また、活動・休養・睡眠時間の時間配比の平均値と標準偏差(2SD)、1SD、2SD、2SD以上の3群に分け、それぞれの群におけるピーク値の時間帯一致度を求めた。結果 24時間内の6時間ごとのbaPWVの変動と一致するABPMを示した者は60%であり、残りの40%はABPMとは独立したピーク値を示した。時間帯毎のABPM、加速度ピーク値時間帯とPWVピーク値時間帯の一致度はABPM60%であり、加速度ピークは55%であった。活動・休養・睡眠の時間配分比の平均値からの離れ具合による分類ごとの一致率は1SD以内で68%、1~2SD以内が9%、2SD以上が22%であった。結語 介入・観察においてPWVを評価する方法の一つとしてABPMの変動パターンと組み合わせる複合要因化して利用することで、エンドポイントとして、片麻痺者の活動・休養・睡眠との関連性をもつ血管機能の代表値として情報価値を高める可能性が示唆された。
ISSN:2189-5899
DOI:10.24642/jjphpt.2.1_1