S状結腸憩室症に起因した結腸子宮瘻の2例
結腸憩室症の合併症としては極めて稀な結腸子宮瘻の2例を経験した. 症例1は72歳の女性で, 便性帯下を主訴に来院した. CT上子宮内にガス像を認め, 消化管との交通が示唆された. 注腸透視では, S状結腸に多発する憩室を認め, 瘻孔は確認できなかったもののS状結腸子宮瘻が強く疑われ手術を施行した. 症例2は75歳の女性で, 便性帯下と不正出血を主訴に来院した. 注腸透視で多発するS状結腸憩室を認め, これより子宮内腔へバリウムの漏出を確認できた. S状結腸子宮瘻と診断し手術を施行した. 2症例ともS状結腸, 子宮, 両側附属器をen blockに切除摘出し, 一期的に結腸の吻合再建を行った....
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Published in | 日本臨床外科学会雑誌 Vol. 68; no. 5; pp. 1202 - 1205 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本臨床外科学会
2007
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Summary: | 結腸憩室症の合併症としては極めて稀な結腸子宮瘻の2例を経験した. 症例1は72歳の女性で, 便性帯下を主訴に来院した. CT上子宮内にガス像を認め, 消化管との交通が示唆された. 注腸透視では, S状結腸に多発する憩室を認め, 瘻孔は確認できなかったもののS状結腸子宮瘻が強く疑われ手術を施行した. 症例2は75歳の女性で, 便性帯下と不正出血を主訴に来院した. 注腸透視で多発するS状結腸憩室を認め, これより子宮内腔へバリウムの漏出を確認できた. S状結腸子宮瘻と診断し手術を施行した. 2症例ともS状結腸, 子宮, 両側附属器をen blockに切除摘出し, 一期的に結腸の吻合再建を行った. 病理組織学的所見では, 憩室から子宮筋層内への膿瘍形成が確認され, この一部が子宮内腔に達し瘻孔が形成されていた. 結腸子宮瘻の発生機序, 診断, 治療について文献的考察を加え報告する. |
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ISSN: | 1345-2843 1882-5133 |
DOI: | 10.3919/jjsa.68.1202 |