自然還納後にDirect Kugel Patch®による修復を行った男性閉鎖孔ヘルニアの1例

症例は81歳,男性.腰背部の違和感を自覚し,徐々に増強し腹痛も呈したため,当院に救急搬送された.受診時の単純CTにて骨盤内小腸の拡張と閉鎖孔ヘルニアを認め,閉鎖孔ヘルニア嵌頓による小腸イレウスと診断した.CT後症状が消失したため,造影CTを行ったところ閉鎖孔ヘルニアは消失し,小腸の拡張も改善し自然還納したものと考えられた.小腸壁の造影効果も十分で,壊死を疑う所見もなく,待機的に発症30日後手術を行った.手術は鼠径法にてDirect Kugel Patch®を使用しヘルニア修復術を施行し,術後第3病日に退院となった.術後1年現在再発なく経過している. 男性に発症し,自然還納したというまれな経過を...

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 72; no. 7; pp. 1899 - 1903
Main Authors 河埜, 道夫, 近藤, 昭信, 長沼, 達史, 伊藤, 貴洋, 田中, 穣, 伊佐地, 秀司
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 2011
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.72.1899

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Summary:症例は81歳,男性.腰背部の違和感を自覚し,徐々に増強し腹痛も呈したため,当院に救急搬送された.受診時の単純CTにて骨盤内小腸の拡張と閉鎖孔ヘルニアを認め,閉鎖孔ヘルニア嵌頓による小腸イレウスと診断した.CT後症状が消失したため,造影CTを行ったところ閉鎖孔ヘルニアは消失し,小腸の拡張も改善し自然還納したものと考えられた.小腸壁の造影効果も十分で,壊死を疑う所見もなく,待機的に発症30日後手術を行った.手術は鼠径法にてDirect Kugel Patch®を使用しヘルニア修復術を施行し,術後第3病日に退院となった.術後1年現在再発なく経過している. 男性に発症し,自然還納したというまれな経過をたどった閉鎖孔ヘルニアの1例を経験した.待機的なDirect Kugel Patch®を用いた修復術が有用であったため,文献的考察を加え報告する.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.72.1899