肩甲骨ossifying fibromyxoid tumorと縦隔神経鞘腫が併存した1例

症例は57歳男性.胸部CT異常影にて当科紹介となった.上縦隔気管右側に径約3 cmの腫瘤を認め,同時に右肩甲骨に径約2 cmの骨破壊を伴う腫瘤を認めた.FDG-PET検査ではともに有意な集積を認め,それぞれSUV(standard uptake value)max=3.5,1.3であった.診断と治療目的に,まず縦隔腫瘍の胸腔鏡補助下による切除術を行った.病理診断はAntoni-A typeとB typeの混在した良性の神経鞘腫であった.次いで肩甲骨の部分切除術を行った.肩甲骨腫瘍の病理診断はossifying fibromyxoid tumor(骨化性線維粘液性腫瘍OFMT)であった.OFMT...

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Published in日本呼吸器外科学会雑誌 Vol. 28; no. 2; pp. 205 - 209
Main Authors 青木, 輝浩, 井上, 芳正, 酒井, 章次
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会 2014
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Summary:症例は57歳男性.胸部CT異常影にて当科紹介となった.上縦隔気管右側に径約3 cmの腫瘤を認め,同時に右肩甲骨に径約2 cmの骨破壊を伴う腫瘤を認めた.FDG-PET検査ではともに有意な集積を認め,それぞれSUV(standard uptake value)max=3.5,1.3であった.診断と治療目的に,まず縦隔腫瘍の胸腔鏡補助下による切除術を行った.病理診断はAntoni-A typeとB typeの混在した良性の神経鞘腫であった.次いで肩甲骨の部分切除術を行った.肩甲骨腫瘍の病理診断はossifying fibromyxoid tumor(骨化性線維粘液性腫瘍OFMT)であった.OFMTの起源は不明であったが,近年免疫組織化学的手法により,Schwann細胞由来の可能性が示唆されている.今回我々は,同じSchwann細胞由来と考えられる縦隔神経鞘腫と肩甲骨ossifying fibromyxoid tumorの併存した症例を経験したが,このような併存例の報告は無く希有な症例と思われた.
ISSN:0919-0945
1881-4158
DOI:10.2995/jacsurg.28.205