不均一温度場における高温下での熱伝導率測定

近年のナノ粒子断熱材や真空断熱材などの高性能断熱材開発において,非常に重要な役割を担う熱伝導率測定方法に関して,フーリエ則を適用できない不均一な温度勾配が一部に存在するような温度場でも測定できる方法を提案し,その適用可能な条件を検討した。既に,300mm×300mmの正方形状試験体に対して,100℃~600℃の温度範囲で適用可能な測定原理と条件を見出している.本報では,150mm×100mmの長方形状試験体に対して,100℃~900℃の温度範囲で測定可能な原理と条件,装置を提案した.さらに,測定精度を評価するための無次元数を定義し,精度向上のための測定方法を示すと共に,試験体の大きさと測定精度...

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Published in熱物性 Vol. 34; no. 4; pp. 137 - 146
Main Authors 大村, 高弘, 石井, 健登, 田坂, 太一, 近藤, 光, 内藤, 牧男
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本熱物性学会 2020
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Summary:近年のナノ粒子断熱材や真空断熱材などの高性能断熱材開発において,非常に重要な役割を担う熱伝導率測定方法に関して,フーリエ則を適用できない不均一な温度勾配が一部に存在するような温度場でも測定できる方法を提案し,その適用可能な条件を検討した。既に,300mm×300mmの正方形状試験体に対して,100℃~600℃の温度範囲で適用可能な測定原理と条件を見出している.本報では,150mm×100mmの長方形状試験体に対して,100℃~900℃の温度範囲で測定可能な原理と条件,装置を提案した.さらに,測定精度を評価するための無次元数を定義し,精度向上のための測定方法を示すと共に,試験体の大きさと測定精度の関係を示した.この装置を使って,フュームドアルミナ断熱材の熱伝導率を測定したところ,周期加熱法の結果に対して±10%以内で一致する値が得られた.
ISSN:0913-946X
1881-414X
DOI:10.2963/jjtp.34.137