肺葉切除後気管内チューブ抜管後に肺損傷を来した1例

症例は64歳男性.人間ドックでの胸部CTにて左上葉に2.5 cm大の結節影を認め,当科へ紹介受診となった.精査にて肺癌が強く疑われたため手術の方針となり,ダブルルーメンチューブによる分離肺換気下に胸腔鏡下左上葉切除および2群リンパ節郭清を行った.上下葉間の分葉は良好で葉間形成は不要であった.終刀時,胸腔ドレーンからエアリークは認めなかったが,気管内チューブ抜去後に咳嗽が出現した後から激しいエアリークと血性排液を認めるようになった.再度麻酔導入し胸腔鏡にて左胸腔内を観察すると,左下葉肺門部の臓側胸膜が肺実質から剥離しており,抜管時の咳嗽による肺損傷が疑われた....

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Published in日本呼吸器外科学会雑誌 Vol. 34; no. 4; pp. 246 - 249
Main Authors 吉岡, 正一, 岩谷, 和法, 松石, 健太郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会 15.05.2020
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ISSN0919-0945
1881-4158
DOI10.2995/jacsurg.34.246

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Summary:症例は64歳男性.人間ドックでの胸部CTにて左上葉に2.5 cm大の結節影を認め,当科へ紹介受診となった.精査にて肺癌が強く疑われたため手術の方針となり,ダブルルーメンチューブによる分離肺換気下に胸腔鏡下左上葉切除および2群リンパ節郭清を行った.上下葉間の分葉は良好で葉間形成は不要であった.終刀時,胸腔ドレーンからエアリークは認めなかったが,気管内チューブ抜去後に咳嗽が出現した後から激しいエアリークと血性排液を認めるようになった.再度麻酔導入し胸腔鏡にて左胸腔内を観察すると,左下葉肺門部の臓側胸膜が肺実質から剥離しており,抜管時の咳嗽による肺損傷が疑われた.
ISSN:0919-0945
1881-4158
DOI:10.2995/jacsurg.34.246