急性膿胸に対する胸腔鏡下手術症例の検討

急性膿胸に対する治療法として抗生剤投与・胸腔ドレナージが第1選択であるが,これらの治療が無効な場合は外科的治療が必要となる.近年は胸腔鏡下手術が広く行われており,その有用性が多数報告されている.今回,当院の胸腔鏡下手術の成績を報告する.2008年1月から2013年2月の間に急性膿胸に対して胸腔鏡下手術を施行した7例を対象とした.胸腔ドレーン挿入部にポートを留置,さらに1~2ヵ所のポート孔を追加し胸腔鏡下に吸引,掻爬を行った.手術時間は120~360分(中央値158分)で,平均術後ドレナージ期間は5日,平均術後在院日数は9日であった.手術関連死亡,膿胸の再燃は認めなかった.他の複数報告例の平均術...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本呼吸器外科学会雑誌 Vol. 28; no. 5; pp. 564 - 568
Main Authors 西岡, 清訓, 岩澤, 卓, 渡辺, 梨砂
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会 2014
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0919-0945
1881-4158
DOI10.2995/jacsurg.28.564

Cover

More Information
Summary:急性膿胸に対する治療法として抗生剤投与・胸腔ドレナージが第1選択であるが,これらの治療が無効な場合は外科的治療が必要となる.近年は胸腔鏡下手術が広く行われており,その有用性が多数報告されている.今回,当院の胸腔鏡下手術の成績を報告する.2008年1月から2013年2月の間に急性膿胸に対して胸腔鏡下手術を施行した7例を対象とした.胸腔ドレーン挿入部にポートを留置,さらに1~2ヵ所のポート孔を追加し胸腔鏡下に吸引,掻爬を行った.手術時間は120~360分(中央値158分)で,平均術後ドレナージ期間は5日,平均術後在院日数は9日であった.手術関連死亡,膿胸の再燃は認めなかった.他の複数報告例の平均術後ドレナージ期間は7.9日,平均術後在院日数は18.3日であり,これらと遜色ない結果であった.またポート孔のみと低侵襲であり安全性も高く,急性膿胸における胸腔鏡下手術は有用である可能性がある.
ISSN:0919-0945
1881-4158
DOI:10.2995/jacsurg.28.564