S状結腸憩室炎による若年性S状結腸膀胱瘻の1例

症例は31歳, 男性. 2004年11月下旬に下腹部痛を認め, 当院泌尿器科にて前立腺炎の診断で抗生剤を投与され軽快した. その後も同様の症状を繰り返していたが, 抗生剤の内服で軽快していた. 2006年12月下旬に気尿を自覚, 2007年1月9日に当院泌尿器科を受診し, 尿検査で糞尿を認めたため, 同日, 当科紹介受診となった. 腹部CT検査にて多数のS状結腸憩室を認め, 膀胱内にガス像も認めたため, S状結腸憩室炎によるS状結腸膀胱瘻と診断し, 手術を施行した. 膀胱壁は切除せず, S状結腸部分切除術のみ施行した. 病理組織学的にも悪性所見は認めず, S状結腸憩室炎によるS状結腸膀胱瘻と診...

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 68; no. 8; pp. 1999 - 2003
Main Authors 千堂, 宏義, 西村, 透, 中村, 吉貴, 金田, 邦彦, 和田, 隆宏
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 2007
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Summary:症例は31歳, 男性. 2004年11月下旬に下腹部痛を認め, 当院泌尿器科にて前立腺炎の診断で抗生剤を投与され軽快した. その後も同様の症状を繰り返していたが, 抗生剤の内服で軽快していた. 2006年12月下旬に気尿を自覚, 2007年1月9日に当院泌尿器科を受診し, 尿検査で糞尿を認めたため, 同日, 当科紹介受診となった. 腹部CT検査にて多数のS状結腸憩室を認め, 膀胱内にガス像も認めたため, S状結腸憩室炎によるS状結腸膀胱瘻と診断し, 手術を施行した. 膀胱壁は切除せず, S状結腸部分切除術のみ施行した. 病理組織学的にも悪性所見は認めず, S状結腸憩室炎によるS状結腸膀胱瘻と診断された. 今回われわれは, 非常に稀な若年発症のS状結腸憩室炎によるS状結腸膀胱瘻の1例を経験したので, 若干の文献的考察を加えて報告する.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.68.1999