人工内耳装用児の音場検査実施月齢とマップの調整期間 当センターにおける縦断的研究結果から

要旨: 人工内耳 (以下 CI) 装用児の音場検査が実施可能になる時期, また良好な検査結果が得られるようになる時期を知ることは, 今後さらに増加するであろう早期に手術が実施される CI 装用時のマッピングを行っていく上での指針になると思われる。今回当院にて2歳未満で両側に CI 手術を行った児8名の各種音場検査初回実施時の月齢の平均を求めた。また8名の各種音場検査の成績が, 健聴児と同等の生活を送っている CI 装用児の標準成績に達した時の月齢の平均を求めた。さらにマップの調整期間と言語発達についても検討した。初回音場検査実施時の月齢平均は, 装用閾値16ヵ月, 語音明瞭度47ヵ月, 語音了...

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Published inAUDIOLOGY JAPAN Vol. 62; no. 2; pp. 171 - 178
Main Authors 中原, 啓, 硲田, 猛真, 榎本, 雅夫, 明石, 正翔, 宝上, 竜也, 河野, 淳, 間, 三千夫, 木原, 智史, 佐々木, 美奈
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本聴覚医学会 28.04.2019
日本聴覚医学会
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ISSN0303-8106
1883-7301
DOI10.4295/audiology.62.171

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Summary:要旨: 人工内耳 (以下 CI) 装用児の音場検査が実施可能になる時期, また良好な検査結果が得られるようになる時期を知ることは, 今後さらに増加するであろう早期に手術が実施される CI 装用時のマッピングを行っていく上での指針になると思われる。今回当院にて2歳未満で両側に CI 手術を行った児8名の各種音場検査初回実施時の月齢の平均を求めた。また8名の各種音場検査の成績が, 健聴児と同等の生活を送っている CI 装用児の標準成績に達した時の月齢の平均を求めた。さらにマップの調整期間と言語発達についても検討した。初回音場検査実施時の月齢平均は, 装用閾値16ヵ月, 語音明瞭度47ヵ月, 語音了解閾値49ヵ月, 両耳雑音負荷時の語音明瞭度58ヵ月であった。CI 装用児の標準成績に達した月齢の平均は, 装用閾値33ヵ月, 最高語音明瞭度55ヵ月, 雑音負荷時の語音明瞭度56ヵ月, 語音了解閾値66ヵ月, 装用閾値が得られた音圧での語音明瞭度67ヵ月であった。本調査実施時に使用していたマップの TC/TMC レベルが決定した月齢の平均は42ヵ月であった。8名中4名に言語発達の遅れが見られた。これらの児は家庭環境に何らかの問題を抱えており, マップの調整に時間を要したり, 機械の管理が適切に行われていない時期のあることがわかった。
ISSN:0303-8106
1883-7301
DOI:10.4295/audiology.62.171