マンモグラフィで石灰化を認め,乳癌との鑑別を要した若年発症乳腺血管腫の1例

症例は29歳,女性.左乳腺腫瘤を主訴に当科を受診した.左乳房D領域に2cm大で弾性硬,可動性良好の腫瘤を触知.乳腺超音波検査にて内部に微細石灰化集族を含む低エコー域をみとめた.マンモグラフィでは,左Lに多形性石灰化の集族および背景濃度の上昇を認めカテゴリ4と診断した.穿刺吸引細胞診で確定診断に至らず,左乳腺腫瘤摘出術を施行.病理結果にて海綿状血管腫と診断された.現在術後2年6カ月経過したが,再発の徴候はない.本邦報告で検索しえた限りでは,病変内に石灰化を有する乳腺血管腫は自験例を含めて3例で,うち20代の若年発症は自験例のみであり,極めてまれな症例と考えられた....

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 72; no. 7; pp. 1700 - 1703
Main Authors 池田, 宜子, 宮崎, 進, 江島, 栄, 中野, 芳明, 門田, 卓士, 今岡, 真義
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 2011
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.72.1700

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Summary:症例は29歳,女性.左乳腺腫瘤を主訴に当科を受診した.左乳房D領域に2cm大で弾性硬,可動性良好の腫瘤を触知.乳腺超音波検査にて内部に微細石灰化集族を含む低エコー域をみとめた.マンモグラフィでは,左Lに多形性石灰化の集族および背景濃度の上昇を認めカテゴリ4と診断した.穿刺吸引細胞診で確定診断に至らず,左乳腺腫瘤摘出術を施行.病理結果にて海綿状血管腫と診断された.現在術後2年6カ月経過したが,再発の徴候はない.本邦報告で検索しえた限りでは,病変内に石灰化を有する乳腺血管腫は自験例を含めて3例で,うち20代の若年発症は自験例のみであり,極めてまれな症例と考えられた.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.72.1700