腹直筋鞘前葉反転法にて修復した腹壁瘢痕ヘルニアの1例

症例は67歳,女性.特発性直腸穿孔によりS状結腸人工肛門造設術を施行.術後全身状態不良のためICUにて呼吸管理・循環管理を行った.また創感染を生じ長期の治療を要した.退院後外来通院となったが腹壁瘢痕ヘルニアを生じ徐々に増悪した.初回手術より約1年後,人工肛門閉鎖,腹壁瘢痕ヘルニア修復目的に入院となった.約16×10cmの巨大な腹壁瘢痕ヘルニアを認めた.人工肛門閉鎖術を伴うため,感染の危険が高いメッシュ等の使用を避け,腹直筋鞘前葉反転法による修復術を行った.術後1年半現在再発なく経過している.人工材料の使用を避けたい巨大な腹壁瘢痕ヘルニアに対して腹直筋鞘前葉反転法を用いた修復術は有用な選択肢にな...

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 72; no. 6; pp. 1598 - 1601
Main Authors 桑野, 博行, 沖, 彰, 中村, 純一, 家田, 敬輔, 岡田, 幸士, 和田, 聡
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 2011
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.72.1598

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Summary:症例は67歳,女性.特発性直腸穿孔によりS状結腸人工肛門造設術を施行.術後全身状態不良のためICUにて呼吸管理・循環管理を行った.また創感染を生じ長期の治療を要した.退院後外来通院となったが腹壁瘢痕ヘルニアを生じ徐々に増悪した.初回手術より約1年後,人工肛門閉鎖,腹壁瘢痕ヘルニア修復目的に入院となった.約16×10cmの巨大な腹壁瘢痕ヘルニアを認めた.人工肛門閉鎖術を伴うため,感染の危険が高いメッシュ等の使用を避け,腹直筋鞘前葉反転法による修復術を行った.術後1年半現在再発なく経過している.人工材料の使用を避けたい巨大な腹壁瘢痕ヘルニアに対して腹直筋鞘前葉反転法を用いた修復術は有用な選択肢になり得ると考えられた.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.72.1598