胸腔鏡下に摘出した胸腔内結石の3例

胸腔内結石は,本邦での報告が29例と少ない疾患である.今回我々は胸腔内結石の3例を経験し臨床病理学検討を加えたので報告する.症例1は57歳女性.検診で胸部異常影を指摘された.CTで左S4に20 mm,横隔膜上に10 mmの結節影を認め,胸腔鏡下手術を施行した.S4の結節は炎症性肉芽種で,横隔膜上の結節は結石の診断であった.症例2は34歳女性.自然気胸にて胸腔鏡下手術を施行した.術前CTでは結石を疑う所見を認めなかった.術中に心膜脂肪組織に付着した結石を認め摘出した.症例3は49歳男性.右後縦隔神経原性腫瘍にて胸腔鏡下手術を施行した.術前より横隔膜上に10 mmの結節を認めており,摘出したところ...

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Published in日本呼吸器外科学会雑誌 Vol. 28; no. 6; pp. 809 - 815
Main Authors 塩見, 和, 内藤, 雅仁, 三窪, 将史, 中島, 裕康, 松井, 啓夫, 佐藤, 之俊
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会 2014
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ISSN0919-0945
1881-4158
DOI10.2995/jacsurg.28.809

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Summary:胸腔内結石は,本邦での報告が29例と少ない疾患である.今回我々は胸腔内結石の3例を経験し臨床病理学検討を加えたので報告する.症例1は57歳女性.検診で胸部異常影を指摘された.CTで左S4に20 mm,横隔膜上に10 mmの結節影を認め,胸腔鏡下手術を施行した.S4の結節は炎症性肉芽種で,横隔膜上の結節は結石の診断であった.症例2は34歳女性.自然気胸にて胸腔鏡下手術を施行した.術前CTでは結石を疑う所見を認めなかった.術中に心膜脂肪組織に付着した結石を認め摘出した.症例3は49歳男性.右後縦隔神経原性腫瘍にて胸腔鏡下手術を施行した.術前より横隔膜上に10 mmの結節を認めており,摘出したところ結石の診断であった.胸腔内結石は稀な疾患であるが,末梢肺,横隔膜上の結節の鑑別診断として考慮する必要がある.また画像所見で他疾患との鑑別が困難である場合は,切除を考慮すべきであると考えられる.
ISSN:0919-0945
1881-4158
DOI:10.2995/jacsurg.28.809