腹腔鏡補助下に切除したリンパ節転移を伴う微小回腸カルチノイドの1例

症例は73歳,男性.便秘を主訴に当院を受診した.下部消化管内視鏡検査で回腸終末部に粘膜下腫瘍様病変を認めた.生検の結果カルチノイドと診断し,腹腔鏡補助下回盲部切除術を施行した.切除標本では腫瘍径は7mm,病理組織検査では深達度は粘膜下層深部,回結腸動脈に沿うリンパ節に1個の転移を認めた. 回腸カルチノイドは本邦では稀な疾患であるが,その転移率は高い.回腸カルチノイドでは腫瘍径に関わらずリンパ節転移の可能性を考え,リンパ節郭清を伴う腸管切除が必要であると考えている.腫瘍径が10mm以下の回腸カルチノイドに関して文献的考察を加え報告する....

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 71; no. 5; pp. 1195 - 1199
Main Authors 三井, 敬盛, 杉浦, 弘典, 佐々木, 信義, 高嶋, 伸宏, 西田, 勉
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 2010
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.71.1195

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Summary:症例は73歳,男性.便秘を主訴に当院を受診した.下部消化管内視鏡検査で回腸終末部に粘膜下腫瘍様病変を認めた.生検の結果カルチノイドと診断し,腹腔鏡補助下回盲部切除術を施行した.切除標本では腫瘍径は7mm,病理組織検査では深達度は粘膜下層深部,回結腸動脈に沿うリンパ節に1個の転移を認めた. 回腸カルチノイドは本邦では稀な疾患であるが,その転移率は高い.回腸カルチノイドでは腫瘍径に関わらずリンパ節転移の可能性を考え,リンパ節郭清を伴う腸管切除が必要であると考えている.腫瘍径が10mm以下の回腸カルチノイドに関して文献的考察を加え報告する.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.71.1195