人工肛門造設術後に低Mg血症による副甲状腺機能低下症を呈した1例

49歳,男性.小腸部分切除術と人工肛門造設術後に排便過多が続き,意識消失発作と強直性痙攣発作(テタニー症状)を発症した.低Mg血症と低Ca血症,血清PTHの相対的低値を認めたが,Mgの補給により血清Ca濃度とPTH濃度は正常化した.人工肛門閉鎖術後は排便量が減少し,低Mg血症の改善を認め,血清Ca濃度とPTH濃度は正常範囲を維持できた.術後の吸収障害から低Mg血症を来たし,副甲状腺機能低下症を合併したと診断した....

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Published in日本内科学会雑誌 Vol. 105; no. 3; pp. 519 - 524
Main Authors 嶺尾, 良平, 最所, 賢二, 加藤, 幸裕, 盛, 礼子, 京, 光章, 丹波, 祥子, 黒田, 陽平, 山本, 浩司, 山田, 祐也, 松澤, 佑次
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本内科学会 2016
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Summary:49歳,男性.小腸部分切除術と人工肛門造設術後に排便過多が続き,意識消失発作と強直性痙攣発作(テタニー症状)を発症した.低Mg血症と低Ca血症,血清PTHの相対的低値を認めたが,Mgの補給により血清Ca濃度とPTH濃度は正常化した.人工肛門閉鎖術後は排便量が減少し,低Mg血症の改善を認め,血清Ca濃度とPTH濃度は正常範囲を維持できた.術後の吸収障害から低Mg血症を来たし,副甲状腺機能低下症を合併したと診断した.
ISSN:0021-5384
1883-2083
DOI:10.2169/naika.105.519