末梢性肺動脈瘤を合併した覚醒剤常用者における三尖弁位感染性心内膜炎の1手術例
三尖弁位の感染性心内膜炎は本邦では稀であるが,肺動脈瘤を合併したものはさらに少ない.今回,覚醒剤静注を契機に三尖弁位感染性心内膜炎を発症した症例に,末梢性肺動脈瘤合併を認め,三尖弁形成術および肺動脈瘤コイル塞栓術を行い良好な結果を得たので報告する.症例は31歳男性の覚醒剤常用者である.敗血症およびDICにて前医に入院し,心エコーで三尖弁位感染性心内膜炎と診断された.感染コントロールの後,手術目的で当科へ転院となった.術前CTで右肺動脈A10に10 mm大の末梢性肺動脈瘤を認め,心臓手術に先行して肺動脈瘤コイル塞栓術を行い,引き続き三尖弁形成術を施行した.術後30日目に独歩退院し,退院後約2年の...
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Published in | 日本心臓血管外科学会雑誌 Vol. 39; no. 6; pp. 321 - 324 |
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Main Authors | , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
特定非営利活動法人 日本心臓血管外科学会
2010
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Subjects | |
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ISSN | 0285-1474 1883-4108 |
DOI | 10.4326/jjcvs.39.321 |
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Summary: | 三尖弁位の感染性心内膜炎は本邦では稀であるが,肺動脈瘤を合併したものはさらに少ない.今回,覚醒剤静注を契機に三尖弁位感染性心内膜炎を発症した症例に,末梢性肺動脈瘤合併を認め,三尖弁形成術および肺動脈瘤コイル塞栓術を行い良好な結果を得たので報告する.症例は31歳男性の覚醒剤常用者である.敗血症およびDICにて前医に入院し,心エコーで三尖弁位感染性心内膜炎と診断された.感染コントロールの後,手術目的で当科へ転院となった.術前CTで右肺動脈A10に10 mm大の末梢性肺動脈瘤を認め,心臓手術に先行して肺動脈瘤コイル塞栓術を行い,引き続き三尖弁形成術を施行した.術後30日目に独歩退院し,退院後約2年の経過は良好である. |
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ISSN: | 0285-1474 1883-4108 |
DOI: | 10.4326/jjcvs.39.321 |