肝門部胆管癌との鑑別を要した自己免疫性膵炎合併硬化性胆管炎の1例

自己免疫性膵炎(AIP)は高率に硬化性胆管炎(SC)を合併するが,原発性硬化性胆管炎とは性質が異なり,また胆管癌との鑑別も要す.症例は,78歳,男性で,AIPに対してステロイドがよく反応したが,肝門部胆管に再燃を来した.胆管癌も考慮されたが,ステロイド増量にて胆管狭窄の改善を見た.AIPの膵病変と胆管病変は異時性の出現もあり得る.また腫瘍性病変との鑑別のためIgG4などの血清学的検査および画像による観察が必要である....

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Published in日本内科学会雑誌 Vol. 96; no. 11; pp. 2525 - 2528
Main Authors 兒玉, 雅明, 村上, 和成, 沖本, 忠義, 高山, 明子, 塩田, 星児, 八坂, 成暁, 大津, 智, 小野, 雅美, 吉岩, あおい, 藤岡, 利生
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本内科学会 2007
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Summary:自己免疫性膵炎(AIP)は高率に硬化性胆管炎(SC)を合併するが,原発性硬化性胆管炎とは性質が異なり,また胆管癌との鑑別も要す.症例は,78歳,男性で,AIPに対してステロイドがよく反応したが,肝門部胆管に再燃を来した.胆管癌も考慮されたが,ステロイド増量にて胆管狭窄の改善を見た.AIPの膵病変と胆管病変は異時性の出現もあり得る.また腫瘍性病変との鑑別のためIgG4などの血清学的検査および画像による観察が必要である.
ISSN:0021-5384
1883-2083
DOI:10.2169/naika.96.2525