神経因性疼痛に対するフレカイニドの鎮痛作用に関する検討 —メキシレチン内服効果が不十分な症例に対するフレカイニドの鎮痛効果

神経因性疼痛の治療薬として, しばしばNaチャネル遮断作用のある抗不整脈薬が試みられる. これまで, リドカイン (キシロカイン®) , メキシレチン (メキシチール®) がおもに使用されていたが, ペインクリニック領域では近年, Ic群の抗不整脈薬であるフレカイニド (タンボコール®) の有効性についての報告が認められる. フレカイニドには同一の注射薬と内服薬があり, かつ作用時間が長いという利点がある. 今回の検討 (24症例) でもリドカイン, メキシレチンで効果不十分であっても, フレカイニドでそれ以上の効果を認めた症例が13例あった. 難治性疼痛の治療においては各種の薬剤の併用を必要...

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Published in日本臨床麻酔学会誌 Vol. 26; no. 3; pp. 266 - 271
Main Authors 植木, 隆介, 森山, 萬秀, 野間, 秀樹, 保岡, 宏彰, 柳本, 富士雄, 村川, 和重
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床麻酔学会 2006
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Summary:神経因性疼痛の治療薬として, しばしばNaチャネル遮断作用のある抗不整脈薬が試みられる. これまで, リドカイン (キシロカイン®) , メキシレチン (メキシチール®) がおもに使用されていたが, ペインクリニック領域では近年, Ic群の抗不整脈薬であるフレカイニド (タンボコール®) の有効性についての報告が認められる. フレカイニドには同一の注射薬と内服薬があり, かつ作用時間が長いという利点がある. 今回の検討 (24症例) でもリドカイン, メキシレチンで効果不十分であっても, フレカイニドでそれ以上の効果を認めた症例が13例あった. 難治性疼痛の治療においては各種の薬剤の併用を必要とする場合があるが, 今回の症例群からも, 改めてフレカイニドの鎮痛薬としての臨床使用の有効性が示唆された.
ISSN:0285-4945
1349-9149
DOI:10.2199/jjsca.26.266