胃全摘術後17年目に無症状で発見された巨大十二指腸乳頭部癌の1切除例

胃全摘,Roux-en-Y再建術後17年目で発見された巨大十二指腸乳頭部癌の1切除例を経験した.患者は71歳,女性.54歳時に胃癌にて胃全摘術を受けている.膀胱炎で近医を受診し,腹部超音波検査で骨盤内腫瘤を指摘された.CT,MRIで右卵巣腫瘍と十二指腸を広範に占拠する4.5cm大の巨大腫瘤を認め,胆管ならびに膵管に軽度の拡張が認められた.小腸鏡による生検で中分化型腺癌と診断され,膵頭十二指腸切除術を施行した.胃癌と十二指腸乳頭部癌の異時性重複癌は稀である.Roux-en-Y再建後には十二指腸の内視鏡検査は困難であり,他の画像診断による十二指腸や胆道系疾患の発生を念頭においた経過観察が必要である...

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 70; no. 5; pp. 1393 - 1396
Main Authors 川井田, 博充, 板倉, 淳, 河野, 寛, 日向, 理, 藤井, 秀樹
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 2009
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Summary:胃全摘,Roux-en-Y再建術後17年目で発見された巨大十二指腸乳頭部癌の1切除例を経験した.患者は71歳,女性.54歳時に胃癌にて胃全摘術を受けている.膀胱炎で近医を受診し,腹部超音波検査で骨盤内腫瘤を指摘された.CT,MRIで右卵巣腫瘍と十二指腸を広範に占拠する4.5cm大の巨大腫瘤を認め,胆管ならびに膵管に軽度の拡張が認められた.小腸鏡による生検で中分化型腺癌と診断され,膵頭十二指腸切除術を施行した.胃癌と十二指腸乳頭部癌の異時性重複癌は稀である.Roux-en-Y再建後には十二指腸の内視鏡検査は困難であり,他の画像診断による十二指腸や胆道系疾患の発生を念頭においた経過観察が必要であると思われた.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.70.1393