右上葉肺癌と炎症性中葉支狭窄への上中葉管状切除術の一例

右上葉支入口部浸潤進行肺癌と,炎症性気道狭窄のため萎縮した中葉を上中葉管状切除術により一期的に切除した症例を経験したので報告する.症例は74歳,男性.2011年3月,肝細胞癌術後8年目のCTにて右上葉肺門部に52×37 mm大の腫瘍を認め,肺癌の肺動脈上幹浸潤が疑われた.経気管支肺生検施行するも確定診断に至らず.また,中葉気管支は炎症性と考えられる著明な狭窄を認めた.臨床病期はT2bN0M0, IIAで上中葉管状切除施行.右主気管支―中間気管支幹末梢吻合再建の後,有茎傍心膜脂肪織にて被覆.肺靭帯切離し吻合部の緊張緩和をはかった.最終病理は小細胞肺癌,G4で肺門周囲脂肪織への浸潤,#11sリンパ...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本呼吸器外科学会雑誌 Vol. 29; no. 4; pp. 491 - 494
Main Authors 岡, 壮一, 浦本, 秀隆, 竹中, 賢, 田中, 文啓, 宗, 知子, 岩田, 輝男
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会 2015
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0919-0945
1881-4158
DOI10.2995/jacsurg.29.491

Cover

More Information
Summary:右上葉支入口部浸潤進行肺癌と,炎症性気道狭窄のため萎縮した中葉を上中葉管状切除術により一期的に切除した症例を経験したので報告する.症例は74歳,男性.2011年3月,肝細胞癌術後8年目のCTにて右上葉肺門部に52×37 mm大の腫瘍を認め,肺癌の肺動脈上幹浸潤が疑われた.経気管支肺生検施行するも確定診断に至らず.また,中葉気管支は炎症性と考えられる著明な狭窄を認めた.臨床病期はT2bN0M0, IIAで上中葉管状切除施行.右主気管支―中間気管支幹末梢吻合再建の後,有茎傍心膜脂肪織にて被覆.肺靭帯切離し吻合部の緊張緩和をはかった.最終病理は小細胞肺癌,G4で肺門周囲脂肪織への浸潤,#11sリンパ節転移を認め,病理病期はT3N1M0, III A.術後補助化学療法としてCDDP/CPT-11を4コース施行.以後外来にて術後3年3ヵ月無再発生存中である.
ISSN:0919-0945
1881-4158
DOI:10.2995/jacsurg.29.491