重症急性膵炎に対する手術症例の検討

目的:近年においては重症急性膵炎(severe acute pancreatitis:以下SAP)に対する外科治療は稀と考えられるが,一定の条件を満たす症例においてはその選択を余儀なくされる.今回,外科的治療を要したSAP症例についてその臨床的検討を行った.方法:2008年1月から2010年12月までにSAPと診断され開腹手術を要した7例につき検討を行った. 結果:症例の平均年齢59歳,男性6例・女性1例,成因はアルコール3例,特発性2例,胆石,腹部外傷1例,前治療として5例に動注療法が施行されていた.手術までの期間が100日を越える症例が5例,術式は5例で膵体尾部切除が行われていた.1例が術...

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 72; no. 5; pp. 1101 - 1105
Main Authors 武藤, 頼彦, 菅本, 祐司, 丸山, 哲郎, 福長, 徹, 星野, 敢, 松原, 久裕
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 2011
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.72.1101

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Summary:目的:近年においては重症急性膵炎(severe acute pancreatitis:以下SAP)に対する外科治療は稀と考えられるが,一定の条件を満たす症例においてはその選択を余儀なくされる.今回,外科的治療を要したSAP症例についてその臨床的検討を行った.方法:2008年1月から2010年12月までにSAPと診断され開腹手術を要した7例につき検討を行った. 結果:症例の平均年齢59歳,男性6例・女性1例,成因はアルコール3例,特発性2例,胆石,腹部外傷1例,前治療として5例に動注療法が施行されていた.手術までの期間が100日を越える症例が5例,術式は5例で膵体尾部切除が行われていた.1例が術後に播種性血管内凝固症候群をきたし死亡,6例は軽快退院となった.結論:現在,SAPに対する手術適応は非常に限られたものとなったが,保存的治療に対し改善が得られない症例を中心に手術の選択を余儀なくされる症例が依然存在するものと考えられた.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.72.1101