FDG-PET/CT陽性を示した肺原発良性血管周囲類上皮細胞腫瘍の1例

症例は36歳女性.3年前より近医の検診で縦隔腫瘤が疑われ,経過観察を行っていた.継時的に増大傾向を示し,精査加療目的に当院受診となった.胸部CTで左中縦隔に36 mmの腫瘤影を認め,FDG-PET/CTにて同部位にSUVmax 4.93の集積を認めた.胸腺腫などの縦隔腫瘍を疑い胸腔鏡下手術を施行したが,病変は広基性な肺内腫瘍であった.迅速病理にて低悪性度腫瘍の結果であり左肺上大区切除を行った.術後の病理結果より良性血管周囲類上皮細胞腫瘍(benign perivascular epithelioid cell tumor:PEComa)と診断した.PEComaはまれな疾患であり,PET/CTを...

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Published in日本呼吸器外科学会雑誌 Vol. 31; no. 5; pp. 638 - 642
Main Authors 鳥羽, 博明, 宮本, 直輝, 澤田, 徹, 滝沢, 宏光, 河北, 直也, 吉田, 光輝
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会 2017
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ISSN0919-0945
1881-4158
DOI10.2995/jacsurg.31.638

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Summary:症例は36歳女性.3年前より近医の検診で縦隔腫瘤が疑われ,経過観察を行っていた.継時的に増大傾向を示し,精査加療目的に当院受診となった.胸部CTで左中縦隔に36 mmの腫瘤影を認め,FDG-PET/CTにて同部位にSUVmax 4.93の集積を認めた.胸腺腫などの縦隔腫瘍を疑い胸腔鏡下手術を施行したが,病変は広基性な肺内腫瘍であった.迅速病理にて低悪性度腫瘍の結果であり左肺上大区切除を行った.術後の病理結果より良性血管周囲類上皮細胞腫瘍(benign perivascular epithelioid cell tumor:PEComa)と診断した.PEComaはまれな疾患であり,PET/CTを使用した報告は極めて少ない.FDGの集積亢進を認めた良性PEComaの1例を報告する.
ISSN:0919-0945
1881-4158
DOI:10.2995/jacsurg.31.638