気管支内腔へポリープ様の突出を認めた多発性硬化性血管腫の一例

症例は23歳男性.健康診断で胸部レントゲン異常影を指摘された.前医にて精査の結果,左多発性硬化性血管腫を疑い,確定診断目的に当科紹介となった.胸部CTにて左B6に突出する27 mmの結節とS5中枢側に12 mmの結節,その他5 mm以下の小結節を左肺野に数個認めた.将来対側に再発する可能性を考慮し左肺全摘は避け,閉塞性肺炎を惹起する可能性のあるB6の腫瘤含むS6と,S5の第2結節と比較的多くの小結節を含む舌区を切除する方針となりS6拡大区域切除術,舌区区域切除術,上葉部分切除術を施行した.永久標本において多発性硬化性血管腫と診断された.術後7年無増悪にて生存中である.若年男性に多発して発症し,...

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Published in日本呼吸器外科学会雑誌 Vol. 30; no. 4; pp. 443 - 447
Main Authors 秋山, 博彦, 中島, 由貴, 木下, 裕康, 浦本, 秀隆, 三上, 厳, 飯島, 慶仁
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会 2016
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ISSN0919-0945
1881-4158
DOI10.2995/jacsurg.30.443

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Summary:症例は23歳男性.健康診断で胸部レントゲン異常影を指摘された.前医にて精査の結果,左多発性硬化性血管腫を疑い,確定診断目的に当科紹介となった.胸部CTにて左B6に突出する27 mmの結節とS5中枢側に12 mmの結節,その他5 mm以下の小結節を左肺野に数個認めた.将来対側に再発する可能性を考慮し左肺全摘は避け,閉塞性肺炎を惹起する可能性のあるB6の腫瘤含むS6と,S5の第2結節と比較的多くの小結節を含む舌区を切除する方針となりS6拡大区域切除術,舌区区域切除術,上葉部分切除術を施行した.永久標本において多発性硬化性血管腫と診断された.術後7年無増悪にて生存中である.若年男性に多発して発症し,気管の内腔にポリープ状に突出する形態を示した硬化性血管腫は稀であり文献的考察を加え報告する.
ISSN:0919-0945
1881-4158
DOI:10.2995/jacsurg.30.443