人工呼吸症例に対するRichmond Agitation Sedation Scaleの導入
【目的】当施設においてRichmond Agitation Sedation Scale(RASS)を導入し,導入の容易性と鎮静スケールの信頼性を評価した。【方法】気管挿管中に持続鎮静を行っている症例全例に対し,RASSを導入した。導入後6ヶ月間,受け持ち看護師と教育担当看護師のRASS評価を重み付きカッパ(κ)係数を用いて比較した。また,導入6ヶ月後にRASSの使用についてのアンケート調査を行った。【結果】RASS評価を行った総症例数は59例で,疾患別では約半数が外傷患者であり,次いで循環器疾患,消化器疾患の順で多かった。教育担当看護師と受け持ち看護師のRASS評価には導入早期より高い一致度...
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Published in | 日本集中治療医学会雑誌 Vol. 16; no. 2; pp. 169 - 174 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本集中治療医学会
2009
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Online Access | Get full text |
ISSN | 1340-7988 1882-966X |
DOI | 10.3918/jsicm.16.169 |
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Summary: | 【目的】当施設においてRichmond Agitation Sedation Scale(RASS)を導入し,導入の容易性と鎮静スケールの信頼性を評価した。【方法】気管挿管中に持続鎮静を行っている症例全例に対し,RASSを導入した。導入後6ヶ月間,受け持ち看護師と教育担当看護師のRASS評価を重み付きカッパ(κ)係数を用いて比較した。また,導入6ヶ月後にRASSの使用についてのアンケート調査を行った。【結果】RASS評価を行った総症例数は59例で,疾患別では約半数が外傷患者であり,次いで循環器疾患,消化器疾患の順で多かった。教育担当看護師と受け持ち看護師のRASS評価には導入早期より高い一致度が認められ,評価総数118回のκ値は0.930と非常に高値であった。また,看護師に対するアンケートの結果では,RASSに対して肯定的な回答が多かった。【結論】RASSは短い準備期間での導入により信頼性の高い評価が可能であり,また,看護師も鎮静スケールの必要性や使用方法を理解して看護を行うことができた。 |
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ISSN: | 1340-7988 1882-966X |
DOI: | 10.3918/jsicm.16.169 |