高齢者ファロー四徴症に対する外科的治療の1例
62歳,女性.24歳時にファロー四徴症と診断された.今回,発熱,呼吸困難を訴え来院した.NYHA IV度であり,心臓超音波検査でファロー四徴症,三尖弁閉鎖不全症を認め手術適応と判断した.心臓カテーテル検査で主要大動脈肺動脈側副動脈(MAPCAs)を認めた.術中の心腔内還流血や修復術後の左室容量負荷残存を考慮し,MAPCAsコイル塞栓術を先行した後,心内修復術(Medtronic FreeStyle Valve,Transannular patchを用いた右室流出路再建+心室中隔欠損閉鎖+三尖弁輪縫縮)を行った.術後第2病日に人工呼吸器を離脱し,第37病日に退院となった.退院時はNYHA I度で...
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Published in | 日本心臓血管外科学会雑誌 Vol. 39; no. 3; pp. 133 - 136 |
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Main Authors | , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
特定非営利活動法人 日本心臓血管外科学会
2010
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Summary: | 62歳,女性.24歳時にファロー四徴症と診断された.今回,発熱,呼吸困難を訴え来院した.NYHA IV度であり,心臓超音波検査でファロー四徴症,三尖弁閉鎖不全症を認め手術適応と判断した.心臓カテーテル検査で主要大動脈肺動脈側副動脈(MAPCAs)を認めた.術中の心腔内還流血や修復術後の左室容量負荷残存を考慮し,MAPCAsコイル塞栓術を先行した後,心内修復術(Medtronic FreeStyle Valve,Transannular patchを用いた右室流出路再建+心室中隔欠損閉鎖+三尖弁輪縫縮)を行った.術後第2病日に人工呼吸器を離脱し,第37病日に退院となった.退院時はNYHA I度で術後10年を経過した現在も外来通院中である.高齢者のファロー四徴症であっても肺動脈弁逆流,三尖弁逆流を残存させない術式の選択やMAPCAsコイル塞栓術を先行することにより安全に心内修復術を施行し得た. |
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ISSN: | 0285-1474 1883-4108 |
DOI: | 10.4326/jjcvs.39.133 |