Mesh-plug法により修復した左上腰ヘルニアの1例

症例は85歳,女性.左腰背部腫瘤と腰痛を主訴に受診した.左腰背部に8×8cm大の弾性軟な腫瘤を認め,触診で左上腰三角部にヘルニア門を触知した.CT検査にて左内腹斜筋と脊柱起立筋の間に腹壁の欠損を認め,同部より下行結腸の皮下脂肪層への脱出を認めた.以上より左上腰ヘルニアの診断の下に手術を施行した.手術はヘルニア門へのMesh-plugの挿入固定と,Marlex meshを用いてonlay patchで補強するtension-freeヘルニア修復術を施行した.術後経過は良好で,現在まで再発は認めていない.腰ヘルニアは稀な疾患であるが,治療は外科手術が基本である.今回われわれが施行したMesh-pl...

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 70; no. 9; pp. 2893 - 2897
Main Authors 大楽, 耕司, 鴨田, 隆弘, 林, 雅太郎, 藤岡, 顕太郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 2009
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Summary:症例は85歳,女性.左腰背部腫瘤と腰痛を主訴に受診した.左腰背部に8×8cm大の弾性軟な腫瘤を認め,触診で左上腰三角部にヘルニア門を触知した.CT検査にて左内腹斜筋と脊柱起立筋の間に腹壁の欠損を認め,同部より下行結腸の皮下脂肪層への脱出を認めた.以上より左上腰ヘルニアの診断の下に手術を施行した.手術はヘルニア門へのMesh-plugの挿入固定と,Marlex meshを用いてonlay patchで補強するtension-freeヘルニア修復術を施行した.術後経過は良好で,現在まで再発は認めていない.腰ヘルニアは稀な疾患であるが,治療は外科手術が基本である.今回われわれが施行したMesh-plug法は鼠径ヘルニアに対する治療として浸透しており,簡便で術後の愁訴もほとんどなく,腰ヘルニアの修復術として有用な術式であると考えられた.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.70.2893