左肺下葉に発生したprimary pulmonary myxoid sarcomaの1例

Primary pulmonary myxoid sarcoma(PPMS)はWHO分類第4版に新たに加わったEWSR1-CREB1融合遺伝子を特徴とする極めて稀な低悪性度肉腫である.症例は44歳男性.胸部CTで左肺S6に2.1 cm大の結節影を認め,左肺S6の区域切除を施行した.病理組織学的には多結節・分葉状の構造を呈し,粘液基質による間質と索状ないし小胞巣状に増生した紡錘形や多角形の腫瘍細胞を認めた.PPMSに典型的な像を呈しており,RT-PCR法によるEWSR1-CREB1融合遺伝子の同定は行なっていないが,FISH法ではEWSR1遺伝子再構成を認めPPMSと診断された.PPMSの報告例...

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Published in日本呼吸器外科学会雑誌 Vol. 35; no. 2; pp. 162 - 167
Main Authors 上垣内, 篤, 原田, 洋明, 花木, 英明, 宮﨑, こずえ, 柴田, 諭
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会 15.03.2021
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Summary:Primary pulmonary myxoid sarcoma(PPMS)はWHO分類第4版に新たに加わったEWSR1-CREB1融合遺伝子を特徴とする極めて稀な低悪性度肉腫である.症例は44歳男性.胸部CTで左肺S6に2.1 cm大の結節影を認め,左肺S6の区域切除を施行した.病理組織学的には多結節・分葉状の構造を呈し,粘液基質による間質と索状ないし小胞巣状に増生した紡錘形や多角形の腫瘍細胞を認めた.PPMSに典型的な像を呈しており,RT-PCR法によるEWSR1-CREB1融合遺伝子の同定は行なっていないが,FISH法ではEWSR1遺伝子再構成を認めPPMSと診断された.PPMSの報告例は少なく,文献的考察を含めて報告する.
ISSN:0919-0945
1881-4158
DOI:10.2995/jacsurg.35.162