根治手術後急速な転帰をとった食道小細胞癌の1例

進行食道小細胞癌に対して術前化学療法を行い,down stagingののち根治手術をしえたものの,術後急速に肝転移が出現し術後46日で死亡した症例を経験した.症例は66歳,男性.右反回神経リンパ節転移を伴った食道癌の診断で術前化学療法を施行後,食道癌根治術を行った.術後の病理検査で食道小細胞癌と診断された.術後1カ月ごろより肝転移,骨転移が出現,その後状態が急速に増悪し術後46日で肝不全のため死亡した.食道小細胞癌は,一般的に悪性度が高く予後は不良であるため,本症例のように臨床的に明らかにリンパ節転移のある進行癌症例についての手術療法は特に慎重であるべきと考えられた....

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 69; no. 5; pp. 1053 - 1057
Main Authors 金田, 邦彦, 中村, 吉貴, 西村, 透, 和田, 隆宏, 千堂, 宏義
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 2008
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.69.1053

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Summary:進行食道小細胞癌に対して術前化学療法を行い,down stagingののち根治手術をしえたものの,術後急速に肝転移が出現し術後46日で死亡した症例を経験した.症例は66歳,男性.右反回神経リンパ節転移を伴った食道癌の診断で術前化学療法を施行後,食道癌根治術を行った.術後の病理検査で食道小細胞癌と診断された.術後1カ月ごろより肝転移,骨転移が出現,その後状態が急速に増悪し術後46日で肝不全のため死亡した.食道小細胞癌は,一般的に悪性度が高く予後は不良であるため,本症例のように臨床的に明らかにリンパ節転移のある進行癌症例についての手術療法は特に慎重であるべきと考えられた.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.69.1053