残胃癌切除後に発見された転移性膵癌の1切除例
症例は72歳, 男性. 8年前に他院にて早期胃癌の診断で幽門側胃切除, Billroth-I法再建を施行された. 平成11年12月残胃癌にて残胃全摘, 脾摘, Roux-en Y再建を施行した (5cm, 2型, T2, N0, H0, P0, Stage IB). 平成12年7月CTにて膵体部に1cm大の腫瘤が発見され, 4カ月後に3.0cmに増大, 腫瘍マーカーも上昇を認めた. MRCPにて主膵管に異常はなく, 転移性膵癌あるいは膵島腫瘍と術前診断した. 膵体部の腫瘤は十二指腸第4部に浸潤あり, 十二指腸部分切除兼膵体尾部切除を施行した. 組織学的には中分化腺癌で残胃癌と同一の組織型であり...
Saved in:
Published in | 日本臨床外科学会雑誌 Vol. 68; no. 5; pp. 1291 - 1294 |
---|---|
Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本臨床外科学会
2007
|
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 1345-2843 1882-5133 |
DOI | 10.3919/jjsa.68.1291 |
Cover
Summary: | 症例は72歳, 男性. 8年前に他院にて早期胃癌の診断で幽門側胃切除, Billroth-I法再建を施行された. 平成11年12月残胃癌にて残胃全摘, 脾摘, Roux-en Y再建を施行した (5cm, 2型, T2, N0, H0, P0, Stage IB). 平成12年7月CTにて膵体部に1cm大の腫瘤が発見され, 4カ月後に3.0cmに増大, 腫瘍マーカーも上昇を認めた. MRCPにて主膵管に異常はなく, 転移性膵癌あるいは膵島腫瘍と術前診断した. 膵体部の腫瘤は十二指腸第4部に浸潤あり, 十二指腸部分切除兼膵体尾部切除を施行した. 組織学的には中分化腺癌で残胃癌と同一の組織型であり, 膵管上皮に異型はなく残胃癌の膵転移と診断した. 術後肝転移, 局所再発, 肺転移をきたすも, S-1を中心とした集学的治療が奏功し, 膵転移切除後6年目に再発死亡した. |
---|---|
ISSN: | 1345-2843 1882-5133 |
DOI: | 10.3919/jjsa.68.1291 |