右肺上葉切除後の中葉“不完全”捻転症に対し捻転解除術を行った一例

(はじめに)肺切除後の稀な合併症として残存肺の捻転症があり,適切な診断と早期の治療介入が必要である.また,捻転解除術もしくは肺切除術の選択については慎重な判断を要する.(症例)63歳男性.既往歴に肺気腫があり,1秒量1.32 L,%DLCO 30.9%と低肺機能であった.右上葉肺癌T2aN0M0 c-stage IBの術前診断で右上葉切除ND2a-1を行った.術後2日目に右肺中葉の捻転症が疑われ緊急手術を行った.手術所見では肺壊死の所見は無く,低肺機能を考慮し捻転解除術を行った.術後経過は良好で自宅退院となった.(結語)症例次第であるが,右上葉切除後の中葉捻転に対して捻転解除術は治療選択肢とな...

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Published in日本呼吸器外科学会雑誌 Vol. 33; no. 6; pp. 619 - 623
Main Authors 西島, 浩雄, 佐藤, 雅美, 前田, 光喜, 酒瀬川, 浩一, 今村, 信宏, 森園, 翔一郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会 15.09.2019
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ISSN0919-0945
1881-4158
DOI10.2995/jacsurg.33.619

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Summary:(はじめに)肺切除後の稀な合併症として残存肺の捻転症があり,適切な診断と早期の治療介入が必要である.また,捻転解除術もしくは肺切除術の選択については慎重な判断を要する.(症例)63歳男性.既往歴に肺気腫があり,1秒量1.32 L,%DLCO 30.9%と低肺機能であった.右上葉肺癌T2aN0M0 c-stage IBの術前診断で右上葉切除ND2a-1を行った.術後2日目に右肺中葉の捻転症が疑われ緊急手術を行った.手術所見では肺壊死の所見は無く,低肺機能を考慮し捻転解除術を行った.術後経過は良好で自宅退院となった.(結語)症例次第であるが,右上葉切除後の中葉捻転に対して捻転解除術は治療選択肢となりうる.
ISSN:0919-0945
1881-4158
DOI:10.2995/jacsurg.33.619