福島県における人工内耳・補聴器装用児の就学後学習環境の実態調査 中学校教員へのアンケート

要旨: 福島県における中学校の通常学級に在籍している人工内耳・補聴器装用児の学習環境に関して, 担当教員等へのアンケート調査を行い, 現状の把握を行った。 今回の調査より, 人工内耳・補聴器装用児の聞き取りの問題や学力の問題, 周囲生徒との問題があることがわかった。 しかし, その対策として考えられる FM 補聴システムの活用や支援員の配置, 教育環境の整備, 教育支援計画と指導計画の作成が低い率でしかなされておらず, 周囲生徒に対する配慮も少なかった。 これに対し, 専門機関が組織的かつ迅速に直接学校を指導する必要があると考えられた。 そのため, 我々は以下の学校支援のための役割分担を明確に...

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Published inAUDIOLOGY JAPAN Vol. 57; no. 6; pp. 686 - 693
Main Authors 大森, 孝一, 山田, 奈保子, 鈴木, 雪恵, 原田, 綾, 松井, 隆道, 小川, 洋, 鶴岡, 美果, 馬場, 陽子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本聴覚医学会 28.12.2014
日本聴覚医学会
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ISSN0303-8106
1883-7301
DOI10.4295/audiology.57.686

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Summary:要旨: 福島県における中学校の通常学級に在籍している人工内耳・補聴器装用児の学習環境に関して, 担当教員等へのアンケート調査を行い, 現状の把握を行った。 今回の調査より, 人工内耳・補聴器装用児の聞き取りの問題や学力の問題, 周囲生徒との問題があることがわかった。 しかし, その対策として考えられる FM 補聴システムの活用や支援員の配置, 教育環境の整備, 教育支援計画と指導計画の作成が低い率でしかなされておらず, 周囲生徒に対する配慮も少なかった。 これに対し, 専門機関が組織的かつ迅速に直接学校を指導する必要があると考えられた。 そのため, 我々は以下の学校支援のための役割分担を明確にした。 授業参観後のケース検討会等の直接の学校支援については福島県立聾学校地域支援センターが行い, コーデイネートは福島県養護教育センターが行う. さらに, 医療機関は人工内耳・補聴器装用児の情報提供を行うという支援体制について関係者で合意を得た。
ISSN:0303-8106
1883-7301
DOI:10.4295/audiology.57.686