非結核性抗酸菌症を合併した両側気胸の1例

症例は,66歳,男性,COPDにてHOT導入中,左気胸を発症し癒着術を施行された.また非結核性抗酸菌症を合併しリファンピシンを内服していた.その後,左気胸再発のためドレナージを施行されたが気瘻が軽快しないため当院に転院した.胸部CTにて両側気胸を認め,両肺はびまん性に低吸収領域を,また上葉中心に嚢胞性変化を認めた.右上葉にはMAC感染症による空洞を認めた.低心肺機能のため2期的に手術を行った.転院翌日,左上葉部分切除術を施行した.術後状態は安定していたため,左上葉部分切除術後7日目に,右上葉部分切除術を施行した.MAC感染巣および肺尖部嚢胞を切除するよう自動縫合器で上葉を部分切除した.呼吸リハ...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本呼吸器外科学会雑誌 Vol. 28; no. 6; pp. 771 - 776
Main Authors 宮原, 栄治, 板垣, 友子, 桑原, 正樹, 亀田, 彰
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会 2014
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0919-0945
1881-4158
DOI10.2995/jacsurg.28.771

Cover

More Information
Summary:症例は,66歳,男性,COPDにてHOT導入中,左気胸を発症し癒着術を施行された.また非結核性抗酸菌症を合併しリファンピシンを内服していた.その後,左気胸再発のためドレナージを施行されたが気瘻が軽快しないため当院に転院した.胸部CTにて両側気胸を認め,両肺はびまん性に低吸収領域を,また上葉中心に嚢胞性変化を認めた.右上葉にはMAC感染症による空洞を認めた.低心肺機能のため2期的に手術を行った.転院翌日,左上葉部分切除術を施行した.術後状態は安定していたため,左上葉部分切除術後7日目に,右上葉部分切除術を施行した.MAC感染巣および肺尖部嚢胞を切除するよう自動縫合器で上葉を部分切除した.呼吸リハビリ後,21病日に退院した.術後6ヵ月を経過したが,MACの再燃なく,呼吸機能の改善を認めた.胸部X線検査にて,横隔膜の平低化の改善を認め,上葉部分切除により肺容量減少手術の効果が認められた.
ISSN:0919-0945
1881-4158
DOI:10.2995/jacsurg.28.771