乳癌舌転移の1例

乳癌術後に舌転移をきたした極めて稀な症例を経験した. 症例は35歳, 女性. 左乳房腫瘤を自覚し, 形成外科で腫瘤摘出後, 病理で乳癌の診断であり, 乳房円状切除術および腋窩リンパ節郭清 (T1N0M0 Stage I) を施行した. 病理組織検査でinvasive ductal carcinoma, solid tubular carcinoma, ER (+), PgR (+), HER2 (1+), Histological grade3であった. 術後ホルモン・化学療法施行していたが術後1年で皮膚転移・肺転移が現れた. 口腔内違和感を自覚したため, 耳鼻咽喉科受診したところ舌根部に隆起...

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 68; no. 9; pp. 2191 - 2194
Main Authors 菅本, 祐司, 木村, 正幸, 青柳, 智義, 坂田, 治人, 福長, 徹, 宮澤, 幸正
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 2007
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.68.2191

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Summary:乳癌術後に舌転移をきたした極めて稀な症例を経験した. 症例は35歳, 女性. 左乳房腫瘤を自覚し, 形成外科で腫瘤摘出後, 病理で乳癌の診断であり, 乳房円状切除術および腋窩リンパ節郭清 (T1N0M0 Stage I) を施行した. 病理組織検査でinvasive ductal carcinoma, solid tubular carcinoma, ER (+), PgR (+), HER2 (1+), Histological grade3であった. 術後ホルモン・化学療法施行していたが術後1年で皮膚転移・肺転移が現れた. 口腔内違和感を自覚したため, 耳鼻咽喉科受診したところ舌根部に隆起性病変あり生検施行の結果, 乳癌舌転移の診断となった. 化学療法を施行したにも関わらずその後, 脳転移・肝転移が生じ, 最終的にカリニ肺炎を併発し死亡した. 乳癌の舌転移はきわめて稀であり, 現在のところ報告例はない.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.68.2191