腹腔鏡下に切除した副腎骨髄脂肪腫の1例

症例は, 42歳, 女性. 平成18年6月, 前医にて腹部超音波検査を施行したところ, 左副腎に境界明瞭な4cm大の腫瘍を指摘され, 紹介となった. 入院時身体所見では特記すべきことなく, 血液検査では, 腫瘍マーカー, 内分泌機能は正常であった. CTでは4cm大で, 境界明瞭なほとんど腫瘍濃染のみられないlow densityな腫瘍として描出され, MRIでは, opposed-phaseではin-phaseと比較して低信号化し, 脂肪成分を含んでいた. 以上より, 左副腎原発の骨髄脂肪腫, 非機能性腺腫, 副腎悪性腫瘍などを疑い, 腹腔鏡下左副腎腫瘍摘出術を施行した. 手術所見では, 左...

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 68; no. 5; pp. 1300 - 1303
Main Authors 岡, 正巳, 永井, 祐吾, 中谷, 佳弘, 小林, 康人, 三谷, 泰之, 玉置, 卓也
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 2007
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.68.1300

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Summary:症例は, 42歳, 女性. 平成18年6月, 前医にて腹部超音波検査を施行したところ, 左副腎に境界明瞭な4cm大の腫瘍を指摘され, 紹介となった. 入院時身体所見では特記すべきことなく, 血液検査では, 腫瘍マーカー, 内分泌機能は正常であった. CTでは4cm大で, 境界明瞭なほとんど腫瘍濃染のみられないlow densityな腫瘍として描出され, MRIでは, opposed-phaseではin-phaseと比較して低信号化し, 脂肪成分を含んでいた. 以上より, 左副腎原発の骨髄脂肪腫, 非機能性腺腫, 副腎悪性腫瘍などを疑い, 腹腔鏡下左副腎腫瘍摘出術を施行した. 手術所見では, 左腎上極に被膜を有する腫瘍を認め, 周囲脂肪組織と一塊にして切除した. 組織診断は副腎骨髄脂肪腫であった. 術後経過良好で第17病日退院となった. 副腎骨髄脂肪腫は悪性の報告もなく, 周囲組織との剥離も比較的容易であり, 美容面からも鏡視下手術の良い適応であると考える.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.68.1300