THAカップのサイズと位置のCTを用いた術前予測

セメントレスカップの設置目標として原臼位設置や腸腰筋腱炎の防止などが挙げられる.そのためにはカップのサイズとプレスフィット可能な位置を術前に正確に予測したいが,3次元術前計画支援用ソフトウェアを使用できる施設は限られているため一般CT画像を用いての3次元シミュレーションの可否を検討した.カップを含む仮想球体を寛骨臼内に置くマニュアルシミュレーションによって得られた結果を基に手術を施行した.供覧症例は85歳女性の右変形性股関節症で,術前計画でのカップサイズ,カップCE角,カップ中心の術後結果は計画CT像とほぼ一致していた.また,プレスフィットとカップCE角との関連性は低いと思われたことからカップ...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 74; no. 1; pp. 68 - 72
Main Authors 安岡, 寛理, 大島, 慶久, 片山, 修浩, 中原, 潤之輔, 松下, 任彦, 浦田, 泰弘, 吉村, 優里奈
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 25.03.2025
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ISSN0037-1033
1349-4333
DOI10.5035/nishiseisai.74.68

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Summary:セメントレスカップの設置目標として原臼位設置や腸腰筋腱炎の防止などが挙げられる.そのためにはカップのサイズとプレスフィット可能な位置を術前に正確に予測したいが,3次元術前計画支援用ソフトウェアを使用できる施設は限られているため一般CT画像を用いての3次元シミュレーションの可否を検討した.カップを含む仮想球体を寛骨臼内に置くマニュアルシミュレーションによって得られた結果を基に手術を施行した.供覧症例は85歳女性の右変形性股関節症で,術前計画でのカップサイズ,カップCE角,カップ中心の術後結果は計画CT像とほぼ一致していた.また,プレスフィットとカップCE角との関連性は低いと思われたことからカップのサイズダウンが可能であり,本方法はリーミングの指標にもなり得ると考えられた.術前CT画像の詳細な観察によってカップの至適サイズと位置の予測は可能であり,再現精度も高まることが示唆された.
ISSN:0037-1033
1349-4333
DOI:10.5035/nishiseisai.74.68