Randomly amplified polymorphic DNA-PCR法によるBurkholderia cepaciaの院内分離株の伝播の解析
本学付属病院において1995年11月から1996年9月の期間中に, 13人の入院患者の臨床材料から28株のBzarkholderia cepaciaを検出した.本菌の28株中24株 (85.7%) が喀痰由来であった.これらのうち1996年1月から2月の間に, 集中的に8人の患者から20株が分離され, 環境からは, 同時期に高度救命救急センター (TCC) において使用されていたネブライザー薬液と蛇管の出口部分からそれぞれ1株が分離された.われわれは環境由来2株を含む30菌株についてrandomly amplified polymorphic DNA-PCR (RAPD-PCR) 法によるDN...
Saved in:
Published in | 感染症学雑誌 Vol. 72; no. 7; pp. 688 - 693 |
---|---|
Main Authors | , , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本感染症学会
20.07.1998
|
Online Access | Get full text |
ISSN | 0387-5911 1884-569X |
DOI | 10.11150/kansenshogakuzasshi1970.72.688 |
Cover
Summary: | 本学付属病院において1995年11月から1996年9月の期間中に, 13人の入院患者の臨床材料から28株のBzarkholderia cepaciaを検出した.本菌の28株中24株 (85.7%) が喀痰由来であった.これらのうち1996年1月から2月の間に, 集中的に8人の患者から20株が分離され, 環境からは, 同時期に高度救命救急センター (TCC) において使用されていたネブライザー薬液と蛇管の出口部分からそれぞれ1株が分離された.われわれは環境由来2株を含む30菌株についてrandomly amplified polymorphic DNA-PCR (RAPD-PCR) 法によるDNAの解析および各種同定キット (IDテスト・NF-18, API20NE, およびNegCombo 4J) による生化学的性状を指標とした表現型別を行った. 各種同定キットを用いた本菌の表現型別による解析は, 菌株間の疫学的な関係を見いだせなかった.それに対し, RAPD-PCR法によって型別した本菌30菌株は, 主要な5つのDNAパターンに区別された.その中で集中的に分離された期間中に, TCCから転床した2名の患者由来株を含む臨床材料由来20株のDNAパターンは環境由来2株と同一であった.これらの結果から, われわれはTCCを汚染源とする小規模な院内伝播が発生したことを推測した.また, RAPD-PCRによるDNAの解析は, 本菌の院内伝播の疫学的調査に有効な方法であることが示された. |
---|---|
ISSN: | 0387-5911 1884-569X |
DOI: | 10.11150/kansenshogakuzasshi1970.72.688 |