若年成人女性の血清フェリチン濃度と血液ヘモグロビン濃度の関係 横断的観察

本研究は, 若年成人女性を対象に, 血清フェリチン濃度と血液ヘモグロビン濃度との関係に基づいて, 鉄栄養状態を評価するための血清フェリチン濃度の限界値の設定について, 血清フェリチン濃度の測定方法別に横断的に検討した。RIA法によって測定された集団とEIA法によって測定された集団では, 測定方法の違いにより血清フェリチン濃度に有意な差が認められた (t+検定, p<0.001)。集団平均値がRIA法で33.5ng/ml, EIA法で23.7ng/mlと平均値で約10ng/mlの差を生じた。血清フェリチン濃度の分布を階級別にわけ, 血液ヘモグロビン濃度が12g/dlを下回る者の階級別出現率...

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Published in栄養学雑誌 Vol. 61; no. 6; pp. 357 - 362
Main Authors 亀井, 明子, 鈴木, 久乃, 石田, 裕美, 上西, 一弘
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本栄養改善学会 01.12.2003
日本栄養改善学会
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ISSN0021-5147
1883-7921
DOI10.5264/eiyogakuzashi.61.357

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Summary:本研究は, 若年成人女性を対象に, 血清フェリチン濃度と血液ヘモグロビン濃度との関係に基づいて, 鉄栄養状態を評価するための血清フェリチン濃度の限界値の設定について, 血清フェリチン濃度の測定方法別に横断的に検討した。RIA法によって測定された集団とEIA法によって測定された集団では, 測定方法の違いにより血清フェリチン濃度に有意な差が認められた (t+検定, p<0.001)。集団平均値がRIA法で33.5ng/ml, EIA法で23.7ng/mlと平均値で約10ng/mlの差を生じた。血清フェリチン濃度の分布を階級別にわけ, 血液ヘモグロビン濃度が12g/dlを下回る者の階級別出現率を算出すると, 出現率5%以上となる血清フェリチン濃度の階級は, RIA法で15ng/ml未満, EIA法では10ng/ml未満の階級であった。若年成人女性の場合には, 貯蔵鉄の指標である血清フェリチン濃度の鉄欠乏判定の限界値は, RIA法で15ng/ml, EIA法で10ng/mlという値が示された。
ISSN:0021-5147
1883-7921
DOI:10.5264/eiyogakuzashi.61.357