本邦の診療現場におけるICU退室後のフォローアップに関す る実態調査

【目的】Post-intensive care syndrome(PICS)対策としてのICU退室後のフォローアップに関する実態を明らかにする。【方法】2021年5月7~31日に日本集中治療医学会会員が勤務するICUを対象とし,インターネット上での調査を実施した。【結果】110ユニットのICU のうち,75.5%でPICSという用語や疾患概念が周知・使用され,89.1%で早期リハビリテーションが実施されていたが,55.5%でPICSに関する評価が実施されていなかった。ICU退室先の部署への訪問,PICS外来,退院後の医療機関などへの病院からのPICSに関する情報提供の実施率は,それぞれ32.7...

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Published in日本集中治療医学会雑誌 Vol. 29; no. 2; pp. 165 - 176
Main Author 日本集中治療医学会PICS対策・生活の質改善検討委員会
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本集中治療医学会 01.03.2022
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ISSN1340-7988
1882-966X
DOI10.3918/jsicm.29_165

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Summary:【目的】Post-intensive care syndrome(PICS)対策としてのICU退室後のフォローアップに関する実態を明らかにする。【方法】2021年5月7~31日に日本集中治療医学会会員が勤務するICUを対象とし,インターネット上での調査を実施した。【結果】110ユニットのICU のうち,75.5%でPICSという用語や疾患概念が周知・使用され,89.1%で早期リハビリテーションが実施されていたが,55.5%でPICSに関する評価が実施されていなかった。ICU退室先の部署への訪問,PICS外来,退院後の医療機関などへの病院からのPICSに関する情報提供の実施率は,それぞれ32.7%,3.6%,19.1%であった。これらの実施の主な障壁として,マンパワーやPICSに関する知識,組織の理解,診療報酬があった。【結論】ICU退室後のフォローアップの実施率の低さが明らかになった。実施の推進のためには,ICUはもとより,あらゆる医療機能へのPICSに関する啓発強化,エビデンス蓄積の上,診療報酬の評価などを通した医療資源の確保が必要である。
ISSN:1340-7988
1882-966X
DOI:10.3918/jsicm.29_165