ナフタレン水素化反応におけるTiO2およびAl2O3担持バイメタリックPt-Pd触媒の耐硫黄性

TiO2およびAl2O3担持バイメタリックPt-Pd触媒によるナフタレン水素化反応を, ジメチルジスルフィド (DMDS) を添加した場合および添加しない場合において, 0.95~2.45 MPa, 473 Kで行った。さらに, 吸着したCOの赤外吸収スペクトルにより調製した触媒の物性評価を行った。担持Pt触媒と比較すると, 担持Pd触媒は硫黄化合物が存在する条件下で高い触媒活性を示した。硫黄化合物が存在しない場合には, Pt触媒はPd触媒よりも高活性であることから, Pd触媒はより高い耐硫黄性を有していることを示していた。 PtとPdを共存させると, 硫黄化合物存在下での触媒活性が大幅に向上...

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Published inJournal of the Japan Petroleum Institute Vol. 46; no. 5; pp. 315 - 321
Main Authors 佐藤, 香織, 三宅, 昌夫, 伊藤, 耕輝, 三浦, 弘, 富能, 忠寛, 大嶋, 正明, 杉山, 和夫, 黒川, 秀樹
Format Journal Article
LanguageEnglish
Published 公益社団法人 石油学会 2003
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ISSN1346-8804
1349-273X
DOI10.1627/jpi.46.315

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Summary:TiO2およびAl2O3担持バイメタリックPt-Pd触媒によるナフタレン水素化反応を, ジメチルジスルフィド (DMDS) を添加した場合および添加しない場合において, 0.95~2.45 MPa, 473 Kで行った。さらに, 吸着したCOの赤外吸収スペクトルにより調製した触媒の物性評価を行った。担持Pt触媒と比較すると, 担持Pd触媒は硫黄化合物が存在する条件下で高い触媒活性を示した。硫黄化合物が存在しない場合には, Pt触媒はPd触媒よりも高活性であることから, Pd触媒はより高い耐硫黄性を有していることを示していた。 PtとPdを共存させると, 硫黄化合物存在下での触媒活性が大幅に向上し, 明らかな複合効果を示した。しかしながら, 硫黄化合物が存在しない場合, 顕著な複合効果は発現しなかった。さらに, Pd/(Pt + Pd) モル比は, それぞれAl2O3担持触媒0.8, TiO2担持触媒で0.5であった。これらの最適値の違いは, 金属粒子径の影響に帰属された。バイメタリック触媒に吸着したCOの赤外吸収スペクトルはPt-Pdバイメタリック粒子の形成を示した。しかしながら, PtとPd間での電子的な相互作用は見られなかった。よって, PtとPdの複合効果は幾何学的効果に帰属された。
ISSN:1346-8804
1349-273X
DOI:10.1627/jpi.46.315