Helicobacter pyloriの薬剤感受性試験法の検討と耐性株の出現状況
Helicobacter pylori感染症の治療法として, プロトンポンプ阻害剤および数種類の抗生物質を用いる方法が保険適応の認可を受けた. しかし, 耐性株の出現が除菌治療の不成功の要因となることが明らかとなっているため, 除菌治療を行う前に薬剤感受性試験を行うことが重要となってきている. 本研究では寒天平板希釈法, Etest法, および微量液体希釈法 (ドライプレート) の三種類の薬剤感受性試験法を比較し, H. pyloriに最も適した試験法の検討を行うとともに, H. pyloriの耐性株の出現状況について検討を行った. その結果, ドライプレートは簡便な方法であり結果の判定も明瞭...
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Published in | 感染症学雑誌 Vol. 77; no. 4; pp. 187 - 194 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本感染症学会
20.04.2003
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Summary: | Helicobacter pylori感染症の治療法として, プロトンポンプ阻害剤および数種類の抗生物質を用いる方法が保険適応の認可を受けた. しかし, 耐性株の出現が除菌治療の不成功の要因となることが明らかとなっているため, 除菌治療を行う前に薬剤感受性試験を行うことが重要となってきている. 本研究では寒天平板希釈法, Etest法, および微量液体希釈法 (ドライプレート) の三種類の薬剤感受性試験法を比較し, H. pyloriに最も適した試験法の検討を行うとともに, H. pyloriの耐性株の出現状況について検討を行った. その結果, ドライプレートは簡便な方法であり結果の判定も明瞭であった. さらに, 液体培養で得られるMICの方が寒天平板を用いる寒天平板希釈法およびEtest法よりもH. pyloriの薬剤感受性試験法として適した方法であることが示唆された. 一方, 各種抗生物質に対する耐性株の出現状況は1994年~1998年に分離されたH. pylori393株において, アモキシシリンやミノマイシンに対する耐性株は認められなかった. しかし, クラリスロマイシンは85株 (22.0%) そしてメトロニダゾールは36株 (21.7%) が耐性であった. 現在, H. pylori感染症に抗生物質による治療が行われていることから, 耐性菌の出現を抑えることが今後の除菌治療における重要な課題であると考えられる. |
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ISSN: | 0387-5911 1884-569X |
DOI: | 10.11150/kansenshogakuzasshi1970.77.187 |