Aeromonas属による菌血症例の臨床細菌学的検討

順天堂大学病院中検で血液からAeromonas属が検出された3症例につき臨床細菌学的検計を加えた. 3例とも開復手術の既往があり, 2例は胃癌のため胃切除術を受け, 術後に近接臓器への浸潤, 癌性腹膜炎を併発した.このように全身状態が悪化している状態で, 本菌による菌血症が発症した.1例は総胆管のう腫のため, のう腫切除, 総胆管空腸吻合術を施行された.術後はしばしぼ胆道感染を併発し, PTCドレナージ, 抗菌薬投与をおこなった.このような状況のもとで血液から本菌が検出された. これら3例とも, 感染防御機構が障害されている状態下で菌血症の発症であり, nosocomial infection...

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Published in感染症学雑誌 Vol. 56; no. 8; pp. 679 - 684
Main Authors 小栗, 豊子, 猪狩, 淳, 小酒井, 望
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本感染症学会 01.08.1982
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ISSN0387-5911
1884-569X
DOI10.11150/kansenshogakuzasshi1970.56.679

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Summary:順天堂大学病院中検で血液からAeromonas属が検出された3症例につき臨床細菌学的検計を加えた. 3例とも開復手術の既往があり, 2例は胃癌のため胃切除術を受け, 術後に近接臓器への浸潤, 癌性腹膜炎を併発した.このように全身状態が悪化している状態で, 本菌による菌血症が発症した.1例は総胆管のう腫のため, のう腫切除, 総胆管空腸吻合術を施行された.術後はしばしぼ胆道感染を併発し, PTCドレナージ, 抗菌薬投与をおこなった.このような状況のもとで血液から本菌が検出された. これら3例とも, 感染防御機構が障害されている状態下で菌血症の発症であり, nosocomial infection, opportunisticinfectionと考えられる.
ISSN:0387-5911
1884-569X
DOI:10.11150/kansenshogakuzasshi1970.56.679