DeBakeyⅢb型急性大動脈解離による右側結腸壊死に対して結腸切除術を施行し救命し得た1例

症例は73歳,男性。腰痛,食後の腹痛を主訴に当院救急外来を受診した。胸腹部造影CT検査でDeBakeyⅢb型の急性大動脈解離を認め,上腸間膜動脈にも解離が及んでいた。破裂の所見はなく腸管壁の造影も良好であり,血圧のコントロールを行いながら保存的治療の方針となり入院加療となった。入院後6日目に右下腹部痛を認め,腹部造影CT検査で右側結腸の壊死を疑い緊急開腹手術を施行した。壊死している右側結腸を切除し,2連銃式人工肛門を造設した。術後の経過は良好で術後40日後に退院となった。急性大動脈解離による腸管壊死は致死率が高く手術を施行しても救命困難なことが多い。若干の文献的考察を踏まえ報告する。...

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Published in日本腹部救急医学会雑誌 Vol. 41; no. 1; pp. 49 - 52
Main Authors 鈴村, 潔, 河野, 秀俊, 寺崎, 正起
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本腹部救急医学会 31.01.2021
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ISSN1340-2242
1882-4781
DOI10.11231/jaem.41.1_49

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Summary:症例は73歳,男性。腰痛,食後の腹痛を主訴に当院救急外来を受診した。胸腹部造影CT検査でDeBakeyⅢb型の急性大動脈解離を認め,上腸間膜動脈にも解離が及んでいた。破裂の所見はなく腸管壁の造影も良好であり,血圧のコントロールを行いながら保存的治療の方針となり入院加療となった。入院後6日目に右下腹部痛を認め,腹部造影CT検査で右側結腸の壊死を疑い緊急開腹手術を施行した。壊死している右側結腸を切除し,2連銃式人工肛門を造設した。術後の経過は良好で術後40日後に退院となった。急性大動脈解離による腸管壊死は致死率が高く手術を施行しても救命困難なことが多い。若干の文献的考察を踏まえ報告する。
ISSN:1340-2242
1882-4781
DOI:10.11231/jaem.41.1_49