マウス下顎頭線維層における弾性線維システムの局在

電子顕微鏡を用いて, 成長期のマウス下顎頭線維層における弾性線維システムと線維形成性コラーゲンの関わりを調べた。1週齢のマウスでは, 線維芽細胞様細胞の問に, まばらなコラーゲン細線維が関節面に平行に走行し, 2週齢では, コラーゲン細線維が線維束を形成し始め, 走行に不規則性が認められた。4週齢では, 太い線維束が関節面に平行でかつ互いに約90度の角度で交差していた。この線維束が交差している部位には弾性線維システムがしばしば認められた。線維層における弾性線維システムは, 様々な段階のものが混在しており, 成長に伴ってエラスチンの含有量が増加する傾向にあった。コラーゲン線維束の走行の変化および...

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Published in歯科基礎医学会雑誌 Vol. 38; no. 1; pp. 1 - 6
Main Authors 小林, 身哉, 水谷, 英樹, 上田, 実, 安江, 一紀, 服部, 宇, 星野, 洸
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 歯科基礎医学会 20.02.1996
Japanese Association for Oral Biology
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ISSN0385-0137
DOI10.2330/joralbiosci1965.38.1

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Summary:電子顕微鏡を用いて, 成長期のマウス下顎頭線維層における弾性線維システムと線維形成性コラーゲンの関わりを調べた。1週齢のマウスでは, 線維芽細胞様細胞の問に, まばらなコラーゲン細線維が関節面に平行に走行し, 2週齢では, コラーゲン細線維が線維束を形成し始め, 走行に不規則性が認められた。4週齢では, 太い線維束が関節面に平行でかつ互いに約90度の角度で交差していた。この線維束が交差している部位には弾性線維システムがしばしば認められた。線維層における弾性線維システムは, 様々な段階のものが混在しており, 成長に伴ってエラスチンの含有量が増加する傾向にあった。コラーゲン線維束の走行の変化および弾性線維システムの成熟が起こる時期が, 咀嚼開始期と同じであることから, 咀嚼によるストレスがこれらの変化になんらかの影響を与えていると考えられた。
ISSN:0385-0137
DOI:10.2330/joralbiosci1965.38.1