高齢者呼吸器感染症におけるペニシリン耐性肺炎球菌の意義

高齢者における肺炎球菌検出例について, ペニシリン感受性株 (PSSP) 29例, 低感受性株 (PISP) 31例, 耐性株 (PRSP) 7例の臨床像を比較検討した.敗血症, 肺炎を合併するなどの重篤例は, PSSP群に多く見られ, PISP, PRSP群では気管支炎例が多く, 慢性呼吸器疾患が基礎にある例の多い傾向が見られたが, 有意差は見られなかった.広域ペニシリン, 第一-第二世代セフェムを中心とする治療成績は概ね良好であった.しかし, 高度耐性株の増加傾向が指摘されており, 今後の動向にも注意が必要である....

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Published in感染症学雑誌 Vol. 71; no. 4; pp. 313 - 317
Main Authors 高平, 健一郎, 畠山, 勤, 稲松, 孝思, 石濱, 祐美子, 深山, 牧子, 増田, 義重, 片岡, 英樹
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本感染症学会 20.04.1997
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ISSN0387-5911
1884-569X
DOI10.11150/kansenshogakuzasshi1970.71.313

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Summary:高齢者における肺炎球菌検出例について, ペニシリン感受性株 (PSSP) 29例, 低感受性株 (PISP) 31例, 耐性株 (PRSP) 7例の臨床像を比較検討した.敗血症, 肺炎を合併するなどの重篤例は, PSSP群に多く見られ, PISP, PRSP群では気管支炎例が多く, 慢性呼吸器疾患が基礎にある例の多い傾向が見られたが, 有意差は見られなかった.広域ペニシリン, 第一-第二世代セフェムを中心とする治療成績は概ね良好であった.しかし, 高度耐性株の増加傾向が指摘されており, 今後の動向にも注意が必要である.
ISSN:0387-5911
1884-569X
DOI:10.11150/kansenshogakuzasshi1970.71.313