4歳未満児における不活化インフルエンザワクチンに対する免疫応答
小児科診療所 (6施設) を受診した4歳未満の小児259例 (0歳64, 1歳65, 2歳64, 3歳66) を対象に, 不活化インフルエンザワクチン (2005/06シーズン) に対する免疫応答を検討した.接種は規定どおりに行い, 接種前 (S0), 1回目接種4週後 (S1), 2回目接種4週後 (S2) に血清を採取し, 赤血球凝集抑制抗体価 (HI価) を測定した. HI価の幾何平均, 応答率 (response proportion: HI価4倍以上上昇), 達成率 (achievementproportion: 接種後HI価1: 40以上) を算出した. また, HI価上昇倍数を従...
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Published in | 感染症学雑誌 Vol. 81; no. 3; pp. 284 - 290 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本感染症学会
20.05.2007
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ISSN | 0387-5911 1884-569X |
DOI | 10.11150/kansenshogakuzasshi1970.81.284 |
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Summary: | 小児科診療所 (6施設) を受診した4歳未満の小児259例 (0歳64, 1歳65, 2歳64, 3歳66) を対象に, 不活化インフルエンザワクチン (2005/06シーズン) に対する免疫応答を検討した.接種は規定どおりに行い, 接種前 (S0), 1回目接種4週後 (S1), 2回目接種4週後 (S2) に血清を採取し, 赤血球凝集抑制抗体価 (HI価) を測定した. HI価の幾何平均, 応答率 (response proportion: HI価4倍以上上昇), 達成率 (achievementproportion: 接種後HI価1: 40以上) を算出した. また, HI価上昇倍数を従属変数接種前HI価と年齢を独立変数とした分散分析を行った.対象者のうち, 過去3年以内にワクチン接種を受けたと報告した者は, 0歳児0% (0/64), 1歳児26% (17/65), 2歳児72% (46/64), 3歳児77% (51/66) であった. HI価の幾何平均は, ワクチン株や接種回数 (S1, S2) に拘らず, 0歳児および1歳児では, 2歳児・3歳児に比べて常に低値を示した. 2回接種後の達成率は, 0歳児23~52%, 1歳児49~58%, 2歳児67~89%, 3歳児71~85%であった. 年齢と接種前HI価を同時に考慮した分散分析の結果, HI価上昇倍数に対して接種前HI価は常に強い関連を示した.2回接種後のHI価上昇倍数 (S2/S0) に対する年齢の効果は, A (H1) およびBについて有意であった (p=0.000, 0.002). インフルエンザワクチンに対する免疫応答は, 接種前抗体価と年齢の影響を強く受ける. 2回接種しても, 0歳児の50~80%, 1歳児の40~50%が防御レベルの抗体価を獲得できなかった. |
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ISSN: | 0387-5911 1884-569X |
DOI: | 10.11150/kansenshogakuzasshi1970.81.284 |