チョコレート摂取がコンピュータ演習後の疲労感に及ぼす影響

本研究の目的は,コンピュータ操作演習開始時のチョコレートの摂取による演習終了時の疲労の影響を明らかにすることである。調査は3時間のパソコンを用いた情報処理演習で実施した。対象者は看護学生45名とし,演習開始時,無作為にチョコレート群・黒砂糖菓子群・コントロール群に分けられた。全ての対象者は,演習開始時に現在の疲労の自覚症状を尋ねる調査用紙に回答した。その後,対象者はチョコレート,または黒砂糖菓子を摂取し,コントロール群は何も摂取せずに演習を開始した。演習終了時,全ての対象者が演習開始時と同じ内容の調査用紙に回答した。演習開始時の疲労感は,チョコレート群で有意に低かった(p<0.05)。コ...

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Published in日本健康医学会雑誌 Vol. 17; no. 1; pp. 13 - 19
Main Authors 宮内, 清子, 佐久間, 夕美子, 佐藤, 千史, 友藤, 裕美
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本健康医学会 2008
JAPAN HEALTH MEDICINE ASSOCIATION
Subjects
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ISSN1343-0025
2423-9828
DOI10.20685/kenkouigaku.17.1_13

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Summary:本研究の目的は,コンピュータ操作演習開始時のチョコレートの摂取による演習終了時の疲労の影響を明らかにすることである。調査は3時間のパソコンを用いた情報処理演習で実施した。対象者は看護学生45名とし,演習開始時,無作為にチョコレート群・黒砂糖菓子群・コントロール群に分けられた。全ての対象者は,演習開始時に現在の疲労の自覚症状を尋ねる調査用紙に回答した。その後,対象者はチョコレート,または黒砂糖菓子を摂取し,コントロール群は何も摂取せずに演習を開始した。演習終了時,全ての対象者が演習開始時と同じ内容の調査用紙に回答した。演習開始時の疲労感は,チョコレート群で有意に低かった(p<0.05)。コンピュータ演習開始時・終了時の疲労を比較した結果,チョコレート群は集中力が有意に維持されていた(p<0.05)。さらに,演習的8時間以内に甘いものを摂取しなかった者でも,チョコレート群ではイライラ,精神的な疲労が抑制されていた(p<0.05)。以上の結果から,作業前のチョコレート摂取は集中力の維持や精神を安定させる効果をもつ可能性が示唆された。
ISSN:1343-0025
2423-9828
DOI:10.20685/kenkouigaku.17.1_13